◯国際情勢 多極化時代、右派ナショナリズムとグローバル地政学
現在の世界情勢は、従来の英米主導の国際秩序やグローバリズムが後退し、
自国優先主義、ナショナリズムと実利主義に基づく多極化へ移行する
大きな過渡期です。
各国の国内不満・経済的困窮・安全保障上の実利が連鎖した結果として、
世界的な保守化・右傾化が進んでいます。
◯中南米:左右の振り子運動と多極化への影響
中南米政治は親米・右派と反米・左派の間で激しく動揺。
ブラジルなどで右派が台頭すれば、BRICS内の反米色が薄まる一方、
左派政権下では多極外交が推進されます。国内の治安や経済問題が主な要因です。
ベネズエラやキューバの不振は、長年の自国政策の不全や制裁の影響です。
◯アメリカ・イスラエル:自国優先主義と生存のリアリズム
共和党(トランプ派)の米州第一主義と民主党の国際協調主義の争いは、
米国内の深刻な分断を反映しています。
イスラエルのネタニヤフ政権の対中東戦略(対イラン包囲網など)は、
厳しい安全保障環境における生存戦略ですが、孤立化を進めています。
◯BRICS主要国の実利外交(インド・ロシア・中国)
インドは、伝統的な非同盟を軸に、イスラエルからの防衛技術導入と
ロシアからの安価な石油調達を両立する実利外交を展開しています。
ロシアや中国は、中東における米国の影響力低下に乗じて
自国の覇権拡大を図っています。
◯欧州の右傾化とウクライナ情勢
フランス(国民連合)やドイツ(AfD)などの右派・極右の伸長は、
移民問題・脱炭素政策への反発・インフレという自国の構造問題に起因しています。
これらの勢力が台頭した場合、自国経済の防衛を優先して
対露制裁やウクライナ支援の見直しが進み、
エネルギー関係の再構築や停戦交渉へ向かうでしょう。
◯日本のスタンス:楽観を排した自主防衛へ
日本政治の保守化・右傾化は、厳しさを増す東アジアの安全保障環境に
対応するための現実的な政策変化です。
米国の関与が不透明になる多極化時代において、
単に親米・親イスラエル陣営にいれば安全とする楽観論は危険であり、
主体的かつ柔軟な外交・防衛エコシステムの構築が不可欠となります。
世界を動かしているのは、各国の国内分断と冷徹な国益の追求です。
今、日本に求められるのは、特定勢力や陣営への依存を避け、
ナショナリズム再燃のなかで自国の防衛力と経済自律性を
いかに高めるかというリアリズムに立った舵取りでしょう。