fukugen(福言):出会い気づき変わるためのヒント

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ブギからマンボ 笠置からひばりへ

◯ひばりの登場 笠置シヅ子の引退

1949年1月、日劇のレビュー『ラブ・パレード』に、ひばりが、『東京ブギウギ』をカヴァーして、登場。

東横映画『のど自慢狂時代』で、ブギウギを歌う少女として映画に初出演。

8月、松竹『踊る竜宮城』に出演、主題歌の『河童ブギウギ』をコロムビアから発売してレコードデビュー。11歳でした。

1950年には2人とも渡米。それも、ひばりの方が、1カ月早いのです。

 

1952年 アメリカの占領時代終了。

ブギから、マンボブームになります。

美空ひばりの「お祭りマンボ」1952年、大ヒット。

 

1956年、キューバからペレスプラードが来日。

この年に、笠置シズ子は2曲を吹き込んだのが、最後となります。「ジャジャンボ」と「たよりにしてまっせ」、

第7回NHK紅白歌合戦の大トリで、「ヘイヘイブギ」を歌います。

57年早々に歌手を廃業します。

自分が最も輝いた時代をそのままに残したい、それを自分の手で汚すことができないと。

34歳でした。

 

1957年の大晦日には、出場。

ここで、2回目出場で20歳の美空ひばりが、女性陣の大トリを務めたのです。

 

NHK笠置シヅ子と、ひばりとは、いろんな確執があり、

朝ドラでも取り上げにくいところが、あるのでしょうね。

ともかく、日本が熱かった時代です。

 

 

スイングの女王 笠置シヅ子

◯スイングの女王

日本のジャズの傑作と言われた「ラッパと娘」が、笠置シヅ子のコロンビア専属での最初のレコードとなりました。

高音を殺して地声で歌うことを服部良一に命じられたそうです。

そのため、喉をつぶして、病院で診察を受け、しばらく歌うことを禁じられたと言われています。

これには、スキャットがはいっています。

「バドジズデジドラ!」

「ダドジバジドダダ!ドジダジデジドダ!」

笠置シヅ子は、日本のマーサ・レイと言われました。

 

三島由紀夫も、そのステージに惚れ込みました。

「明治以降、日本に3人、女傑がいる、

与謝野晶子三浦環#、岡本かの子、そして4番目は、笠置シヅ子だ」と。

 

淡谷のり子は、笠置の歌は、

「どうにも聞いてられないときがある」と評し、

「それは彼女の不自然な発声法とオーヴァーすぎるジェスチャーと、不必要にドナリたてる大きな声から受けるものとし、歌を勉強したものにとっては、恐ろしささえ感じます」と、(1950年5月21日 朝日新聞芸能欄)

 

ちなみに、笠置を可愛がった服部良一は、

ひばりは、うますぎて面白くないと言っていたようです。

「ひばりさんは何でもうまく歌ってしまう。」と。

 

 

 

#三浦環(1884ー1946)

本名は柴田 環(しばた たまき)。日本で初めて国際的な名声をつかんだオペラ歌手として知られる。十八番は、ジャコモ・プッチーニの「蝶々夫人」、その“蝶々さん”と重ねて「マダム・バタフライ」と称され、国際的に広く知られた。

世界各地でオペラ「蝶々夫人」の主役として2,000回以上舞台に立ち、作曲者プッチーニから「マダム・バタフライは、彼女のために書かれたようなもの」と絶賛されました。

NHK連続テレビ小説『エール』で、柴咲コウさんが演じるソプラノ歌手・双浦環のモデルでしたね。『婦人公論』(昭和11〈1936〉年10月号)に自叙伝を寄せました。

朝ドラ「ブギウギ」 ブギの女王 笠置シヅ子

朝ドラ NHK連続テレビ小説「ブギウギ」第25週「ズキズキするわ」(第117~121話)の予告が放送、

女優の吉柳咲良が演じる若手歌手、水城アユミが登場。

スズ子(笠置シヅ子)の大ファン、そのモデル美空ひばりを微妙にずらした設定で、世代交代での終幕に、あと二週。

 

「東京ブギウギ リズムウキウキ

心ズキズキ ワクワク

(作詞:鈴木 勝 作曲:服部 良一)

 

心ズキズキが、戦後の日本の人々の心を表しているのですね。

で、ワクワク、なわけです。

どん底、あとは這い上がるだけ、の強さです。

 

 

◯ブギの女王

「東京5人男」という1945年につくられた映画には、東京の焼け跡が写っています。

GHQ指導に従って企画された第一号で、敗戦マタギと言われる映画です。

並木路子が歌った「りんごの唄」の入った「そよかぜ」の公開が早く、1945年10月11日、こちらが、復興ソング第一号とも。

 

1947年、日本国憲法と「東京ブギウギ」#

1948年4月、三船敏郎主演の「酔いどれ天使」のなかの「ジャングル・ブギー」は、黒澤明作詞でした。

この年の高額納税者のトップは、作家の吉川英治で250万円、次が笠置で200万円です。

上原謙原節子ともに130万円、大卒の公務員初任給は3千円。

笠置シヅ子は、カセギスルコといわれました。

笠置は、カサギと読みます。

 

芸能人トップが、映画スターから、歌謡曲歌手へと移ったのです。

 

 

#ブギウギ

<ブギウギのブギは、西アフリカの黒人英語から発生した言葉で、踊るというボギーbogiが語源。ウギは意味がない反復語です。ブギウギは20世紀前半にアメリカで発展したポピュラー音楽のリズムです。>

 

 

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自己同情について セルフコンパッション

続きです。

compassion。

 

◯セルフコンパッション

同情=シンパシーから、セルフコンパッション#ということばを思い出しました。

これは、仏教由来の言葉で、そこでは、あらゆる人の幸せ、苦しみがなくなることを願います。

それには、まず、自分が安全で健康でなくてはなりません。

 

他人への同情のまえに、自分への同情を見つめてみる必要があるのでしょう。

自分への同情、この場合は、自己愛というのとも似ていますが、

自分のピンとくることばを見つければよいと思います。

 

「同情するなら金をくれー」#

同情は、必ずしもよいニュアンスがあるわけではないのです。

 

 

#自己同情(Self-compassion、セルフ・コンパッション)

<自らの欠点、失敗、または人生におけるさまざまな苦しみに直面した時に、自分自身への思いやりを実践すること。

クリスティン・ネフによれば、「自分への優しさ」「共通の人間性」「マインドフルネス」という3つの主要な要素で構成されている。

健康、幸福のために、近年学界で強く推奨されている。

  • 自分への優しさ:苦しみや悲しみ、自らの欠点などに直面したときに、それらを無視したり、自己批判することでさらに自分を傷つけたりするのではなく、自分自身に温かい態度で接すること。

  • 共通の人間性:苦しみや失敗を「自分だけの経験」として認識し、自分を孤独に追い込むのではなく、人間の共通の経験の一部であると認識すること。

  • マインドフルネス  感情が過度に抑制されたり誇張されたりしないためには、否定的な感情に対してバランスの取れたアプローチを取る必要がある。否定的な考えや感情をオープンにして、マインドフルな意識の中で観察する。マインドフルネスとは、個人が自分の考えや感情を抑制したり否定したりすることなく、そのまま観察する、良し悪しの判断をしない受容的な精神状態のことである。逆に、マインドフルネスにおいて、精神的または感情的な現象で嫌悪感情を引き起こさないためにも「過剰に識別」しないことを必要とする。この後者のタイプの反応は、自分の否定的な感情に焦点を絞り、反芻することを含んでいる。

 

自己同情のある人は、それがない人よりも大きな心理的健康を得ている。たとえば自己同情は、人生の満足、知恵幸福楽観主義好奇心、学習目標、社会的つながり、個人的責任およびレジリエンスとポジティブに相関している。同時に、自己批判鬱病不安反芻、思考抑制、完璧主義および摂食障害の傾向の低下とも関連している。(Wikipedia編纂)>

 

 

#「同情するなら金をくれ!」

<平成6年(1994年)、日本テレビ系で放送されたドラマ「家なき子」で有名になった安達祐実のセリフ。>

 

 

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同情と共感 『東京同情塔』

続きです。

 

◯エンパシーとシンパシー#

この小説のなかで、『東京同情塔』である刑務所は、シンパシータワー、

ですから、犯罪者は、同情すべき人々ということです。

寛容な社会の行き着くところです。

 

そのネーミングから、高輪ゲートウェイ駅、

内容では、上野千鶴子さんの東大での新入生歓迎の辞など、

巷の出来事が、いくつもクロスオーバーしました。

同じ時代、同じところで、ほぼ同じ目線で生きている、作者への、エンパシーです。

 

エンパシーは、共感で、同情しないけれども、理解はできるという態度です。

ブレイディみかこさんの「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」です。

シンパシーとは、かわいそうな人に、心からそう思うこと、同情です。

 

小説にかぎらず、およそ読むに耐えない文言は、巷に溢れています。

 

このブログも含め、かなりの部分は、

やがて完成度をあげてくる生成AIで代用できそうに思います。

タイトルづけもうまいです。

では、何が残るのか。

 

偶然の閃き、関係なさそうな事象の結合、新しい発見、発案などは、

AIには、簡単には、できないでしょう。そこからの論理構築は?

 

私もそう簡単にできないところです。

だから、そこをがんばらなくては、と思うのです。

料理の下準備、いや、仕上げ?

手間暇かかるところは、残ります。

人間のなすべき仕事、クリエイティブなところです。

 

なんか、よくわかっていない。

 

 

#EmpathyとSympathy

<同情(sympafhy)は、他人の状況を思いやり、支援する能力。

共感(empathy)は、他人の状況や感情を読み取って共有し、効果的かつ適切な方法で対応する能力です。>

ちなみに、Compassionは、一緒に苦しむ耐えるニュアンス。

 

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虚構の言葉 芥川賞『東京都同情塔』

芥川賞『東京都同情塔』#への共感

小説は、けっこう途中で投げ出したり、飛ばし読みすることが多いのですが、時折、最後まで読まされてしまう作品があります。

この著者、九段理江さんは、私と頭に入っているものや思考の組み立てが似ているように感じました。どこがどうというわけではないのですが。

このブログを読んでいる方にはわかるかもしれません。

読みにくい内容なのに、私には読みやすかったのです。

 

この作品は、私と小説との距離を縮めた、いや、取り払ってくれたようにも思ったのです。

親近感というより、今、私が小説を書くと、こういう文体かと気づかせてくれました。

そういう点では、昔、読んだ作家、倉橋由美子#を思い出しました。

 

人間を建築物のように見て、また、東京同情塔でなく、東京都同情塔という発案に歓喜する、

著者が作中の人物と交差するので、フィクション感が薄れるせいかもしれません。

 

退屈なのは、生成AIのつくりだす案やその文章の引用部分です。

この作品がそういう試みだから、そこを読むに耐えない私は、まんまとその策略に引っかかっているのでしょう。

 

6日に述べた「時効撤廃」の殺人犯への被害者家族の心情、

そこへ弁護士の人権擁護、冤罪、検察の横暴への不信という対立、

罪を犯した人への寛容論と関係します。

 

 

#『東京都同情塔』

<本作の舞台は、ザハ・ハディドの国立競技場が完成し、犯罪者は「同情されるべき人々」という言説が広がったもう一つの日本。生成AIや寛容論、ポリティカル・コレクトネスといった、「今」の問題を通して、日本の未来を預言する野心作。

ザハの国立競技場が完成し、寛容論が浸透したもう一つの日本で、新しい刑務所「シンパシータワートーキョー」が建てられることに。

犯罪者に寛容になれない建築家・牧名は、仕事と信条の乖離に苦悩しながら、パワフルに未来を追求する。ゆるふわな言葉と実のない正義の関係を豊かなフロウで暴く、生成AI時代の預言の書。>

 

#九段理江

<1990年9月27日、埼玉生まれ。2021年『悪い音楽』で第126回文學界新人賞を受賞しデビュー。22年1月に発表された『Schoolgirl』が、23年3月、第73回芸術選奨新人賞を受賞。11月『しをかくうま』が第45回野間文芸新人賞を受賞。24年1月、第170回芥川龍之介賞を受賞。>

 

#倉橋由美子 (1935-2005)

パルタイ『聖少女』『スミヤキストQの冒険』『アマノン国往還記』など。

 

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日産・トヨタ自動車の不正 /アカデミー賞

<第96回米アカデミー賞授賞式が開催され、映画「オッペンハイマーが作品賞ほか7冠に。宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」が、長編アニメ映画賞、日本の作品として初めて「ゴジラ-1.0(マイナスワン)」#が視覚効果賞を受賞。3/10>

 

 

続きです。

この体たらくについて、

それは、政治だけではありません。

 

◯日産・トヨタらの愚行

日産が下請けいじめ

トヨタグループの不正、不祥事、

ダイハツ豊田自動織機日野自動車デンソーなど、

日本を代表するトップ企業がこうなのですから、

もはや、これらの企業だけであるはずもなく、

日本の企業の経営陣のモラルの低さ、

地に堕ちたものです。

 

以前から、そういう体質だったというので、まだまだ、ありそうです。

しかし、このあたりは、競争社会で勝ち抜いたエリートたちが、

平成あたりで実権を握り、ちょいワルの意識で

やり始めた罪状のように思うのです。

 

一度、やめようとしていた裏金が、阿吽の呼吸で復活した、

自民党、あるいは、政治家たちと同じで、

同調圧力というより、自己利益の最大化、がめつさの同調、シンクロニシティ

それでは、共感もできませ

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#オッペンハイマー ゴジラ

 

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