引き続き、2本のドラマの紹介を。
主演は、柄本佑さん、3年前に転落死したのにもかかわらず、生き返った男、土屋を演じます。その妻に、鈴木杏さん、会社の警備員、佐伯に阿部サダヲさん、脇は、渡辺いっけいさん、萩原聖人さんなど。
原作は、平野啓一郎さんが東日本大震災直後に「亡くした人にもう一度会えたら」と言う着想からの執筆ですが、今となれば、違う見方もできましょう。
ここでも、彼の「分人」という考えをとりあげてきました。
佐伯のせりふに着目、平野さんの日本の現状への本音か、ともかくも引用していきたいです。
佐伯は、土屋に向かって言う、
「、、日本なんて言われているこの一帯はもう滅んでいるだけです。年寄り連中が若い連中の餌を血眼になって食い荒らしている。あの豚どもは尻拭いを全部、後の連中に押し付けて、満腹のまま幸せに死んでいくのです。
それに引き換え、あなた、死に物狂いじゃないですか。くたびれ果てて、、、、(略)」
それに対し、家族のために働くのが幸せ、という土屋に、佐伯は、畳み掛ける、
「そんなことはね、余計なことを考えないために思い込まされているだけですよ。、、、」
こういう役は、あべさださんだなあ。せりふが凄む。
そういえば、ついこの間、ここに阿部定エピソードを載せたばかりでしたね。
私は、年寄り連中の一味ではないつもりですが、もう満腹で幸せな年寄りも少なくなっていくでしょう。
このせりふ、当時の、オレオレ詐欺のリーダーの論法ですね。婚活詐欺もロマンス詐欺とか言われていますが、若くて苦労している人には、騙されてでも一千万とかを現金で出せる高齢者は、その事情や心情に想像力を欠くほど、別種の人間に見えたのでしょうね。
◯「オールドルーキー」TBS日曜劇場 日曜日21:00〜
綾野剛 日曜劇場初主演、現役を引退した元サッカー日本代表選手がセカンドキャリアへ。
37歳で現役引退に追い込まれ、サッカー以外何もない新町に襲いかかる現実。出会ったのは、スポーツマネージメント会社「ビクトリー」、ってな感じ、、。
キャッチコピー(TBSの宣伝)
「人生の後半戦には、何が待っているんだろう。
順風満帆とは限らない。思い描いた未来とは違っているかもしれない。
それでも、挫折や葛藤を乗り越え、挑戦者として生きる人がいる。
かっこ悪くても、もがき続ける人がいる。
そう、自分の人生を生き切る覚悟と勇気を持った人だけに新しい道が生まれるのだ。
これは、夢が破れてもなお、自分をあきらめず
自らの人生を生きようとするあなたの物語である。」
新たな目標に向かって生きる、家族再生の物語でもある。とあります。完全オリジナル。
まあ、今は100年人生、あと、30年も経てば、120年人生でしょうから、60歳あたりからが、人生後半戦ですかね。
勇気をもって、新しい人生、いえ、次のステップにチャレンジしましょう。