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「グレースの履歴」向かい合うこと(3)

◯TVドラマ「グレースの履歴」

最終回終了5/7

向かい合うこと、で、すぐに思い浮かんだのが、このドラマでした。

どれだけ人と向き合ってきたのでしょう。

話の続きにもなりますが、

それは人数ではありません。

たとえば、もっとも身近な人について、

私たちは、どこまで知っているのでしょうか。

何を知っているのでしょうか。

そして、自分自身についても、

どこまで向き合ってきたのでしょうか。

 

最終回のタイトルが、「永遠の孤独」

 

これは、孤独ということで、

前に観た「賢者の愛#」の孤独と重なったのですが、、。

こちらのドラマも、同様にキャスティングがよい、広末さんの使い方などはあまりに定石すぎるきらいがありますが、そこらは述べないことにしましょう。

人間の表裏、善悪をわかりやすく展開しています。

 

それとは違い、「グレースの履歴」は、とても美しい物語です。

カーナビに残された履歴を巡るという斬新な切り口、最終話で、それが故人に意図されたもの、となると、やや矛盾を感じましたが。

デジタルで何でも残されていく。この時代をうまく切り取ったものといえます。

死んでから初めてわかることがあり、また、妊活や死に至る病への対処など、今のテーマも盛り込んでいます。

 

親しい人が死んでから、向かい合わされること、

多くは向かい合わないまま、過ごしてきたことに後悔したり、

後悔しても仕方ないと思ったり、

故人しか知らないことだらけの中で、

長く一緒にいて、何を知っていたのだろうと、

なぜ、きちんと向かい合ってこなかったのだろうと思うでしょう。

仕事も生活も、ですが、

人に向かい合うことは、とても難しいです。

 

ドラマなどで自殺した身内について、もっと向き合っていれば、、

のようなシーンをいくら見ても、

やはり、私たちは、よほどのことが、

心痛極まる悲劇でもなくては向かい合えないのでしょう。

そして、そのときは、もう遅い。

 

この世でなすべきことと、過去として蓋をしていくものに、

悩む年齢になったら、いっそう、いろいろと深く考えさせてくれるドラマです。

見方によっては、終活がテーマです。

残される人のために何をして逝くのか、重いテーマです。

 

 

#「賢者の愛」<(ネタバレ)ホテルで美しい青年の体をいとおしむ編集者の真由子(中山美穂)。その青年は、真由子の親友の百合(高岡早紀)と初恋の人の澤村諒一(田辺誠一)の子。少女の頃から百合に大切なものを奪われてきた真由子の復讐劇。>

 

#グレースの履歴

<"グレース”という赤い愛車に乗って成田に向かった妻。南仏でバス転落事故。遺品として残されたグレースのカーナビには、夫の希久夫に内緒で各地を訪れていた履歴が残されていた。妻の不貞を疑って履歴をたどっていく。藤沢、松本、近江八幡尾道、松山と、美しい日本の原風景と次々と現れるかけがえのない人との出会い。

最終話5/7 ネタバレ含

松山を訪れた希久夫(滝藤賢一)は、元恋人・草織(広末涼子)の家に泊まることに。亡き妻の思い出話を語るうち、希久夫は美奈子(尾野真千子)に会っていない、と言う草織のうそに気が付く。そして、全ての真相にたどり着いた希久夫は、妻の愛情と望みを知る。

2023年にNHK BSプレミアムNHK BS4Kにてテレビドラマ化、

『グレース』は、源孝志の小説。2018年『グレースの履歴』に改題、河出書房新社より発行された。

ドラマの出演者 滝藤賢一 尾野真千子 伊藤英明 柄本佑 林遣都 山崎紘菜 平埜生成 木村祐一 美波 徳永えり 美村里江 黒谷友香 中原丈雄  丘みつ子 石橋蓮司 宇崎竜童 広末涼子 遊井亮子>