さて、格差や失業の問題は、これまでも扱ってきましたが、端的にいうなら、3Kに文句をいってまともに働かない、いや、働くにも体力や集中力がもたないAくんと、同じ条件をまったく3Kと思わないで、こんなにもらえるのかと感謝して一所懸命働くBくんがいたら、どうなるのだろうかということでしょう。将来、AくんよりBくんは、豊かな収入と高いポストを得られる可能性が高いのはいうまでもありません。大まかにいうと、このBくんが、今のおよそ70代以上の日本人、昭和を働きつめた人、今の日本の豊かさを荷った人たちです。
格差とやらを日本国内だけで考えると、Aくんも働きたいのだから、いや無職なら困るので、Bくんと同じに扱うべきだという論調になります。が、グローバルにみると、今のAくんは日本人、Bくんは中国人やインド人なのです。
すでに携帯も普及して、世界中の人が現実を知っています。日本人なら、30万円もらえる仕事以上のことをして、なぜ自分たちは5万円なのかという不満が起きてくるのは当然です。
しかし、今までの暮らしがあまりによくなったということで、表に出てこなかっただけです。国に帰ればリッチな暮らしができる、まわりは稼げないから、ということです。つまり、かつてのパックス・ブリタニカやアメリカンドリームを彼らは、国では現実のアドバンテージとして手にしているので、その国での格差がそれを目隠ししているだけです。