最高裁判所は、記録の永久保存に関する規則を今月制定し、
来年1月から運用することを決めました。
これまで何度か指摘してきましたが、これで是正されることを望みます。
続きです。
◯キャンセルカルチャー
もう一つは、キャンセルカルチャーの問題です。
これは、ある個人の過去の言動問題化し、その人物を社会や歴史から消し去ってしまう運動です。法で裁かれた犯罪を超えてまで、広がっているようです。
芸術家や作家、クリエイターなどの才能を、その個人の犯罪で消し去るとしたら、多くの芸術作品や創造物、文化、歴史までもが葬られてしまうでしょう。
昨今、俳優などの出演者が、犯罪やそう思われることを起こしたときに、その公開作品や番組が放映中止になるということで、急にあたかも当然のようにみなされてきたように感じます。
その出演者の出ているシーンだけ切り取るとかが、あたりまえになっているわけです。
日本の場合、容疑者の段階で、決定づけられるため、さらにひどい状況です。
犯罪と裁かれた俳優のコマーシャルなら、放送中止になるのはわかります。企業イメージを損ねますから。だからといって、作り終えた作品までお蔵に入れるのは、行き過ぎでしょう。
俳優は、演者であり、化けて出ているので、本人ではありません。映画の中で殺人を犯しても罪にならないわけです。作中での殺人は嘘だからで、リアルなら当然、罪になりますが。
法律でも、法の不遡及#があるのです。どこまで遡るのかということです。
作品には、責任も罪もないということです。
差別語の問題も、そこで注をつけた上で、残しています。
人権の名の下、事実を抹消するのは、よいことではないでしょう。
感情だけに走ると、過去のよくないものは、目に入れたくない、壊せとなります。
辛いことを思い出させるものは、なくしたいものです。
その感情は、個人なら当然でも、人類全体を考えたら、物証として残すことが必要です。
そうでないと同じ過ちを繰り返すからです。
負の遺産こそが人類の知恵なのです。