◯ドキュメンタリー「最期を選ぶ~安楽死のない国で 私たちは~」
不治の病、終末期の苦痛。死を目前にした患者の究極の選択肢について考える番組です。
<安楽死が認められているスイスの事例をもとに、同局の若手ディレクターが2年以上を費やして制作した力作。FNSドキュメンタリー大賞のエントリー作品。
スイスで認められている安楽死は、自殺ほう助によるもの。そしてスイス国内の死亡者の実に約2%が自殺ほう助による死だ。安楽死をサポートする団体を訪れると、そこでは毎日、当たり前のように安楽死が行われていた。穏やかな笑顔で死を迎える人々…。夫や息子、そして孫に見守られて亡くなる80代の末期がんの老婦人、そして、安楽死が社会的にまだ認められていない隣国ドイツから娘を伴ってやってきた難病を患う60代の女性。彼女たちの死に立ち会った。自らの尊厳を守るために、自らの命を絶つことがこれほど壮絶で、静かなものだとは想像もしていなかった…(とれたてフジテレビ10/7)>
施設で、あるいは家で、安楽死の瞬間を、自分が点滴のバルブを開けて、永遠の眠りにつくところを、実写で見たのは、衝撃的でした。
穏やかな死への旅立ち。
最期を、自分の意思で決断するのです。
自殺と自死の問題は、これまでも扱ってきましたが、
自分がいつでも、楽に死ねると言う決断ができるということは、
厳しい状況におかれた人には、生きることに勇気が出るほどの救いになるのです。
日本では、簡単に認められそうにはありませんが、自殺幇助とは区別して考える必要があるはずです。どれだけの人が、生きるのに精神的に救われるのかということです。
全く知らない人でも、その死ぬ場面をみるときに、
こんなに涙が流れるのはなぜだろうと思うのです。
いろいろなものが、私の身体を通して受け継がれている、
いえ、私だけでなく、
きっと、人類の誰しもに受け継がれている遺伝子のなすことだと思うのです。