◯日ノ本の行く末
「大坂夏の陣」(慶長20年、1615年)
大坂城が炎に包まれ、秀頼、家臣たち、大野治長(修理)(玉山鉄二)、最後に残った茶々の自刃。
茶々の捨て台詞。
「日ノ本か。つまらぬ国になるであろう。
正々堂々と戦うこともせず、万事長きものに巻かれ、人目ばかりを気にし、陰でのみ妬み、あざける。優しくて、卑屈なか弱き者たちの国。
己の夢と野心のために、なりふり構わず力のみを信じて戦い抜く!
かつて、この国の荒れ野を駆け巡った者たちは、もう現れぬ。
茶々は、ようやりました」
その後のエピローグめいた展開が長い。15分、延長枠。
どうも、それは、第二次世界大戦末期の日本人の覚悟、
三島由紀夫の自刃をもって、半ば、失せてしまった
日ノ本の精神的基盤に行きつきそうであります。
とはいえ、この日ノ本の亡霊、
それは、時折、まだ、いろんなところで、見たり聞いたりします。
日本と日本人の自立を度々、触れていますが、
それは、この霊性のなし得るところでしょう。
それを受け継いで生きる人は、今もいます。
平和のために戦うという、人類のなかに受け継がれているかのような遺伝子、
それは、日ノ本だけでなく、人類の呪われた亡霊、
そして、今日もこれからも、世界を動かしていくのでしょう。