母親、延子さんへの自殺ほう助の罪で逮捕されたのは、四代目市川猿之助こと喜熨斗孝彦さんです。
どんな人間も、弱いものなのです。なんであれ、死を選んだ、そこにさしたる原因がないこともあるわけです。
彼が自分の死を選んだことは罪でありませんが、他の人を巻き込むと罪になります。
それは、猿之助でなく、喜熨斗孝彦さんという個人とご両親との問題のように思います。でも、警察が介入する事件となるのです。
自殺は、殺人とは、なりません。
しかし、自殺幇助は、日本では、罪です。
欧米は個人主義、理性的な判断のもとで、自己決定する自由を優先します。
確か、昨年9月のゴダール監督の自殺幇助による死でも触れましたが、
日本では、家族や集団の気持ちが大事で、家族が納得していることが、個人の死に方にも関わってきます。
日本で、安楽死がタブーなのは、そのためでしょう。
死刑制度がなくならないのも、そうした遺族感情を重視するからです。
まわりの人々によって自分が生かされているという思いが強いのです。
本来、いや、現在の世界では、
自分のやり方で自分の幸せを追求できることは、生への権利です。
自由と自立との結びつきです。
なのに、太平洋戦争で、死にたくないのに死んでいく人をみて、多くの日本人は、生き残ったため、その後、戦争放棄で社会を再建できたため、
何がなんでも、生命尊重、
そこで思考停止に陥ったままなのです。
そのまま、超高齢化社会に突入、
いろんな問題が起きています。
死は、誰にでも必然です。
だからこそ、真剣に考えていかなければいけないことに思われるのです。