fukugen(福言):出会い気づき変わるためのヒント

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日本の戦後30年とこの30年 高度成長の説明

この30年間、日本の平均賃金は447万円から433万円(2020年)、大して下がってないと思うでしょうが、この間アメリカは2.5倍で700万円、ドイツは2倍で560万円、韓国も2倍で430万円です。アメリカの大卒1年目の平均年俸が629万円で日本は262万円です。

ビッグマック指数で見ると、日本390円、アメリカ645円、イギリス522円、スウェーデン681円、タイ429円。コロナ禍で、海外に出ないのでぴんとこないかもしれませんが、もう海外で豪遊どころか朝食代さえあくせくするようになったわけです。外国から日本に来た人たちは、500円でおいしい朝食や弁当、1000円でランチが食べれる日本には、繰り返してくることでしょう。私が、バリに行かなくなったのはロブスターが値上がったからです。

 

昨日の補足も加えておきます。戦後、奇跡のように日本の高度経済成長は成し遂げられました。これは、憲法第9条、平和憲法のおかげだとか、軍事に予算を使わなかったためとか、民主化のおかげでなされたことと説明されてきました。そういう説明は、戦争の反省と軍国日本への毛嫌いからきたのであり、誤りです。大正期からの社会主義的思想の実現とも思えるほど、中間層の伸びが原動力だったのでしょう。日本の高度成長が止まり、急激な発展を遂げた国、たとえば、中国を見れば、わかります。

日本の共産化を止めるためのアメリカの政策が、日本の経済的な成長を促した。それゆえ、冷戦の終結とともに、この蜜月関係は終わったという見方もあります。しかし、ある意味では、アメリカが本土でなしえなかった社会主義化に近いことを、日本で大々的に行ったのです。財閥の解体なども、です。ただし、それは徹底して日本の精神風土を破壊するためでした。日本が二度と戦争できないように、です。

 

日本は、あの戦争に全精力を使い、世界に冠たる科学技術を駆使して、最高級のものを開発していました。敗戦で、生き残った負い目や死んでいった仲間に対する気持ちが、廃墟になった国土の復興に全国民が全力で取り組んだのですから、そうした技能や組織が優れた製品開発に役立ち、経済大国となったのです。生き残った人たちの強靭な体力、精神力と、なによりもどんどん生まれてくる団塊世代での労働人口の増加です。その若いエネルギーが、現場に集中されたら発展しない方がおかしいともいえます。国際的にいろんな紛争、復興で需要が出てきたのも恵まれました。物量で負けた日本人に、モノを持って豊かになりたいと言う欲望は強く、内需拡大、大量消費になっていくわけです。農地改革から都市流入、サラリーマンとして、核家族とニューファミリー化となりゆきます。今、この動きは、反転しているわけです。