言霊、続けます。
ワールドカップ、第二戦、まさかの敗戰、まあ、開催前、「日本はドイツに引き分け、コスタニカに勝ち、スペインに引き分けで2位通過できたら」と思っていたので、一勝一敗ならまだよしかと。
試合開始時間直前に、自主トレに行きましたら、ガラガラでした。
ラモス瑠偉さんが、「テレビのまえで応援したら選手に伝わるんです」と言っていたのが、頭をよぎり、ここにいる人は、なんなのかあ、と、自分を棚に上げて、見回してみました。
同じファンと騒いで、一時、気分の解放や刺激もよいでしょう。第一試合で充分に発散できたでしょう。次は、自分の番と思いましょう。自分の明日のために時間を使いましょう。そうしている人たちと出会いましょう。
それに、負けちゃうと、その刹那も味わえないですね。他人に運命を委ねないこと。
◯言霊と声
言霊の言は、事。言葉に出すことで、事柄の実現を信じることです。
柿本人麿呂の長歌、言挙げ#が、4回使われています。
タマとは、魂に宿る霊です。それは単なる超自然的な力でなく、神霊、神との関わりで発現する超自然的な力です。
◯五十音
五十音図は、天台宗の僧侶であった明覚#が表した「反音作法」と言う書物に載せられていました。平安時代には、ある程度知られていたのでしょう。
悉曇学を学んでいた契沖の「和字正濫鈔」にもあります。五十音と言う用語が、ここで初めて使われたのです。1695年のことです。
◯音義説
江戸時代には一音ごと、あるいは一行ごとに固有の意味があるという音義説が唱えられました。平田篤胤は、今でいう語感での分析も試みています。カラリとサラリの違いなどを音響心理学のように解いているのです。今でいうオノマトペですね。
#言霊 <言葉が持つとされる霊力。言魂。
声に出した言葉が、現実に影響すると信じられ、良い言葉を発すると良いことが起こり、不吉な言葉を発すると凶事が起こるとされた。忌み言葉も言霊の思想に基づく。
日本は、言魂で幸せがもたらされる「言霊の幸ふ国」。
万葉集に「志貴島の日本(やまと)の国は事靈の佑(さきは)ふ國ぞ福(さき)くありとぞ」(柿本人麻呂 3254)
「…そらみつ大和の國は 皇神(すめかみ)の嚴くしき國 言靈の幸ふ國と 語り繼ぎ言ひ繼がひけり…」(山上憶良 894)>
#言挙げ <意志を声に出すのが、言挙げです。それが、慢心による場合、悪い結果がもたらされると信じられました。
『古事記』、倭建命が伊吹山に登ったとき、山の神の化身に出会ったが、「これは神の使いだから帰りに退治しよう」と言挙げした。慢心で神を見抜けず、祟りで亡くなった。>
<言霊思想は、アニミズム的な思想だけではなく、心の存り様を示す。
山本七平や井沢元彦は、現代にも言霊思想は残っているとし、これが抜けない限り、言論の自由はないと述べている。山本七平によると、第二次世界大戦中に日本でいわれた「敗戦主義者」とは「日本が負けるのではないかと口にした人物」のことで、戦後もなお「あってはならないものは指摘してはならない」「議論してはならない」ということが多い。>(Wikipedia抜粋)
#明覚(1056年- 没年不詳)
<平安時代後期の天台宗の仏教僧。比叡山延暦寺に入って覚厳に師事、比叡山に五大院を開創した安然を慕って悉曇学を修学し、加賀国温泉寺に住した。悉曇学の祖。
著書に『悉曇要訣』『梵字形音義』、『反音作法』(1093年)がある。「五十音図」を示す。また『法華経』の音義を編し、漢字音を韻尾音によって独自の範疇を設け、独特な反切、uとugの区別、連濁などの符号の記述などが見られる。>