続きです。
◯音楽と宇宙
音楽はギリシャでは、ムーシケー(ミュージック)と表されます。
霊感や神秘的なものとして、ムーサ(ミューズの原語)の女神に関わりのあるものです。
詩と音楽と舞踏の3つが、一体となって、パフォーマンスとなりました。
幾何学、天文学、算術、音楽が、古典の4学芸(クワドリヴィウム)です。これが、それぞれ、数の静止量、運動量、純粋数、実用数として把握されていたのです。
惑星の運行は、巨大な協和音を発していると想定して、音楽と天体のハーモニーの存在が説かれました。
◯ギリシアと藝術
ギリシア人は、ポイエーシスといいました。これはポエジー、詩の原語で、創造です。
実用的な効用とは異なり、美的な価値のものを作る能力のことです。
テクネーはテクニックで、技術なのですが、同時に芸術を表していたのです。
人間を超えるものは、人間の技では不可能です。
音楽、舞踏、詩などを、芸術(ミメーシス)と総称したのです。
ドイツでは、手の技(アート)やできること(クンスト)です。
藝術という言葉は、4世紀末の後漢書の時代以来、使われてきました。
藝の元の意味は、ものを植えることです。
今、使われている、芸は、草を刈りとることで、まったくの当て字です。