◯弱者の立場で
長年、国を追われていたユダヤ人が、
パレスチナ人を国から追い出すようなことの不条理、
イスラエル人も、そこに気づいていないわけがないのに、
その考え、行動は、変えられません。
昭和天皇のおことば、でしたか、
「自分が正しいと思う人が、一歩下がれば争いは起こらない」と。
言い換えてみるなら、
「優れた人が少し譲れば、世界は平和になる」
優越的な地位にある人が、そうでない人に譲っていけば、よりよい社会ができるはずです。
自分に利とならない人をどれだけ助けられるかが、人間の器、品格と、
聞いたことがあります。
なのに、優越的な地位に立つほど、人はそれをさらに強めよう、守ろうとするのです。
欲に際限がなくなっていくのです。
◯生きる
考えや行動は、どうしたら変えられるのでしょう。
人生観を死生観と結びつけること、
これは私たちが、戦後、反動のように失ったものの一つです。
命を大切に、は、長生きすることではないのです。
こうして誰もが死に近づいているなら、
なにを惜しむことがあるでしょう。
どう命を燃やすか、そして、なにが残るか。
黒澤明監督の「生きる」は、
この映画、このストーリーとともに、
主人公、あと75日で死ぬ男の市役所課長、渡辺勘治も、
生き続けます。
このタイトルは、生きる、なのです。
#「生きる」