〇私と公
欧米などでは、相手を奴隷のように自分のモノとして扱うことが、歴史的に当たり前のこととみなされてきました。
日本人なら、なんであれ私的なものにするのには、何らかの後ろめたさが付きまとっていたものです。
それは倫理観からというよりは、日本の場合は、天皇からの優越的な順位のようなプライオリティーに基づいたものではなかったでしょうか。
つまりは、縦型社会での秩序での安心感なのです。日本的霊性?
〇自由と孤立化
人間は、孤独を避けるために、どこかに属しようとします。
人間は社会的な役割をもつ、それは、自然秩序であると考えられていました。
これが、中世末期になるとルネッサンスから資本主義、宗教改革へと進みます。
自由になると、個人は、一人ぼっちにされるのです。
そこには、精神的、社会的、政治的な解放を求めてきた長い闘いの歴史があるのです。経済的な自由によって勝ち得ることができたのでしょう。
〇公の規制
その自由と規制について、考えます。公共サービスがわかりやすいでしょう。
タクシーなどは、道路など公共の財を無料で利用して商売するので、限りないコスト競争が行われ、安全性が低下するリスクがあります。白タクは、禁じられます。
免許や資格など許認可を要すとなり、多くの規制もなされます。
料金もサービスや個人の努力の外で一定に決められます。ただし、それは、働く人の権利を守るためでもあります。
〇シェアサービスと寡占化
ところが、シェアリングになって、アプリを利用したサービスでは、事業者間の差別化ができます。
顧客がサービスによって選ぶことができると、過当競争を防ぐことができます。
ところが、寡占化のリスクも大きくなります。再び、自由競争めいてくるのです。
ITの進化に法が追いつかないのです。すると、新たなる富裕層が出てきます。
〇GDPから考えるフローとストック
GDP 500兆円のうちの雇用者報酬250兆円を労働者人口6,600万人で割ると労働者一人当たりの報酬が380万円。日本人の平均的な年収です。
日本で資本として提供されている総額は3千兆円ですから、GDPのうち雇用者報酬は3.3%となります。利回り3.3%です。
となると、年収380万円の金額を得られるための資産は1億円、それだけの金融資産があれば、その利子だけで、平均的な生活ができるとなります。これがストックでの生活にあたります。
〇富裕層とストック経済
フローでの収入には、最高税率で45%が課せられますが、配当に対しては20%で済みます。
ですから、ストックオプションと配当が、日本で富裕層になる条件です。
日本株に対する投資リターンは、6パーセントほどですが、
それでも経済成長率を上回ります。
オーナーや経営者として、直接、事業に関わるよりも、資本を出す方が経済的に有利です。下手に身内に継承させるよりも、
有能なプロ経営者に任せる方がよいとなるのです。
こういう話は、関係ないと思われる人は、まずATM引き出しで手数料を払ったり、リボ払いを即刻、止めるべきです。