◯一年遅れの原爆と差別問題
映画「オッペンハイマー」は、
赤狩りなど、政治と科学の対立などが重点で、
原爆の被害は、さほど注視されていません。
いうまでもなく、都市への無差別大空襲とともに、
原爆投下は、戦争犯罪です。
しかし、アメリカの論理では、戦死する日本人も戦うアメリカ人の犠牲者も、このことによって抑えたということになります。
そこに明らかな人種差別もあったのは確かです。
本土決戦など正気の沙汰でない。
降伏しない日本人は、もはや人間でないと。
ボクシングと同じで、KOしなくても、
戦いで勝つ、つまり、強いのがどちらかわかった時点で、
勝負はつきます。
それ以上、リスキーな続行の必要はないのです。
なぜ、日本人が、ほぼ勝負がついた一年前に降伏しなかったのか、
そうすれば犠牲の9割は、防げた。
それは、これまでの犠牲者に面目が立たない、
起死回生の一矢を報いて有利な条件で終わらせようとした、など、いろいろとあります。
勝ち目がなくなっても、死ぬまで戦う、では、
結果、国が滅びる、というところまで、考えられなかったのです。