壁と考えること自体、前にも述べた二極化の思考です。
これこそ、程度問題なのに、
控除で線引きを壁にしてしまったわけです。
働くことの捉え方も変わりつつあります。
確かに、楽な仕事にきつい労働と、
さまざまですが、多くの場合、
自分が選んだ仕事であれば、
よい面と悪い面、両方が含まれているものです。
それを感じたり決めているのも、
大体は、自分です。
その判断は、気分や受け止め方によっても大きく変わります。
昔は、生活保護などは、恥、
受給していると肩身が狭い、子どもがいじめられる、
という思いがある人も少なくなかったです。
多くの人が長期に頼ると社会は成り立たないことを
どこかで感じていたからでしょう。
それは、その通りなのです。
その意識は、生きる気概にもなったのです。
困ったときは助けてもらえる社会は理想です。
本当に困ったら、それに頼るのに遠慮はいりません。
ただ、反面、そこに依存しすぎると、
本人のためにもよくありません。
セイフティネットとは、あくまで、
特定の弱者、あるいは、特定の期間で活用される制度です。
扶養控除も、パートやフリーターの救済の制度でもあったのでしょうが、
それが、納税意識をなくすのは、よくないことです。
もっと働き、もっと豊かになり、多くの税金を
納められるようになれたらよいという思考が
できなくなったのは、問題です。