◯思想と芝居
かつて自由民権思想を広めるために、壮士芝居というものが上演されていました。
演説では分からないので、芝居仕立てにして民衆にプレゼンしたのです。
そのなかの演目「坂垣君遭難実記」は、
「板垣死すとも自由は死せず」
というセリフを日本中に広めました。
西洋哲学では、対話を通しての問答で伝えることが多かったのです。
そこには、演劇の影響もありました。
声による思想の伝達です。
日本にも説法、説教、講話、談義などがありました。
◯口語体
1898年 国木田独歩の武蔵野。言文一致体での最初の随筆。
1906年〜7年、夏目漱石「坊ちゃん」、島崎藤村「破戒」、田山花袋「布団」、
これらの叙述的な口語体が出てきたのです。
当時、漱石が連載していたような新聞小説は、音読するものでした。
人々が、自分が考えたことをそのままの文体で書くことは、
身近なことでは、なかったのです。
#壮士
-
壮年の男子
-
血気盛んな若い男子
-
明治時代、自由民権運動の活動家。壮士劇。(wiktionary)