日本、日本人論、続けます。
◯融合する日本
本地垂迹説、両部神道、尊いものがいると感じ、神も仏も信じているのが、日本人でしょう。草木国土悉皆成仏。大日如来は、アマテラスオオノカミなのです。
政教分離であれば、元より、神父や修道女が学校施設に入ってはいけないのです。しかし、日本では、キリスト教の学校も、靖国神社のそばにあります。先生も、神父であったりします。仏教徒で宗派が違うのに、結婚もできるのです。誰も何も気にしません。
神話とダーウィンの進化論が、共存できたのです。
かたじけないもの、畏れ多いもの、聖なるものは、その土地にあった形で、どんなとこにも現れるという感じです。
つまり、日本人は、なんでも消化吸収してしまう柔軟性があるわけです。よい意味で、いい加減なのです。
◯日本人の能力と影響
日本人は、真似から本物を作らせると世界一のものに仕上げる能力がありました。
銃や大砲から戦艦まで、あっという間に真似をして作るばかりか、それ以上のものにしたのです。
ピーター・ドラッカーが言うには、欧米の植民地にならずに独自の政府をつくったこと、もう一つは他の国のものでも優れた技術を取り入れていったこと。
その前提条件となったのは、
国民のほとんどが、読み書きができたこと。
秀才を留学させたこと。(これは、遣隋使からずっと、です。)
過去においても、数学、自然科学、近代工業をあっという間にマスターして、欧米を凌ぐような科学立国になったのです。文明開花からわずか半世紀くらいで、全世界を相手にして、戦争ができるくらいの力をつけたといえます。
日本は航空母艦をつくり、さらに機動部隊として戦略まで変えてしまったのです。
日本の戦後復興など、奇跡でもなんでもなかったのでしょう。
日本の援助で、韓国と台湾は工業化できました。それを見て、中国は、鄧小平が日本式に切り替え、資本、技術を外国から入れて、発展させました。アジアは皆、同じようにしたのです。
なによりも大きいのは白人至上主義を打破し、人種での差別を崩壊させる原動力となったことです。欧米は、日露戦争の後、日本が中国を支配し、アジアやアメリカまで影響を及ぼすことを恐れたのです。
◯第7の文明 日本文明
私たちは、文明をキリスト教、イスラム教、東洋文明の3つで大きく分けていますが、イギリスの歴史家トレンビーは、6つないしは7つに分けました。7つとなるのは、
西洋キリスト教文明、ロシア正教文明、イスラム文明、インダス文明、シナ文明、中南米ラテン・アメリカ文明、に加えて、日本文明です。
ちなみに、文明とは、文化と違って分けるものでなく、継続するものです。