さて、あなたは、いくつ、ハンドルネームを使ってきますか。
あなたには、どのくらいの呼ばれ方がありますか。
先の家制度から、名前の話に移します。
◯改名
名前と実体とを1つと結びつけたのが、1872年に明治政府が出した改名禁止令と復名禁止令です。それまでの日本では、元服をすれば、名前は変わったわけです。また、出家や隠居しても地位が変わっても、名前が変わったのです。
今では、死んでの戒名で変わるだけです。苗字は、結婚で変わることがありますが。
◯別名
改名でなく,別名なら,よく使うようになりましたね。
アーティストや作家などは、芸名やペンネームを使うのが、一般的でした。むしろ、本名を使い出したのは、新しい動きです。
伝統芸能、落語、囲碁将棋など、出世魚のように、襲名で改名していく業界もあります。
とはいえ、納税や健康保険、銀行口座には、本名しか使えません。
一般の人も、芸事や俳句、短歌などでは、芸名、俳号、雅号などを使います。
まあ、役職や親族の呼び方なども入れていくとキリがないですね。
社長,所長、先生、塾長、代表、理事長,事務局長、、、、お父さん、お母さん、おじさん、おばさん、友人からのニックネーム、あだ名とかも含めてよいでしょう。
◯ハンドルネーム
ネット社会では、アカウント名,ハンドルネームで誰もが、別名を持つようになりました。
メタバースの世界では,多くの男性が,女性アバター,女性名を使うとか。ある調査#では,76パーセントだそうです。これについては、また改めて述べたいと思います。
◯本名の呪縛
氏や名が、難しい,読めない,キラキラすぎる,有名人と被る,同姓同名がいる、名前負けする,何かと紛らわしいなど、名前での悲喜劇は、とても多いことでしょう。
とくに、 SNSが普及して、ググることも当たり前になると、同姓同名の多い名前は、誤解や別人が妨げになることも多いでしょう。事件などで報じられた人と同じ名前だったりすると、とても煩わしいですね。
◯患者様という敬称
厚生省の医療サービス向上委員会は、患者中心の医療を促進する目的で、患者様と呼ぶことを提唱しました。2001年です。その後、その方が、よそよそしいという意見も出てきて、患者さんに戻した病院もあります。今では、名前で呼ぶのが、誤診を防ぐにも、通例となってきました。
でも、待合室で大声で実名を呼ばれるのは、よいものでありません。そろそろ改善すべきですね。もっともプライバシーの問われるところです。
◯現場から
私のところでは、いらっしゃる方を、以前は塾生、研究生と呼んでいましたが、受講生、クライアントなどと、使い分けるようになりました。それは、案内や規約など書面だけで、ここでの名前は、本人が希望なさるものを使っています。
日本では、講師をしたり本を出したりすると、自動的に、先生と呼ばれてしまうのです。
「教えていないし、あなたの先生ではないよ」とか,年配の人には、「先に生まれたわけでもないし」とかいうのも悪いので,甘んじて受けます。
社長と呼ばれるのも、心地悪いし(なんせ会計事務所や税務署で、だけだし、、)
センセー,シャチョーは、もはや敬称とはいえないので、よいのかもしれません。