◯民族、宗教より経済が原因
一見、対立して抗争するのは、民族の違いのようでも、経済的な問題が、紛争の直接かつ最大の要因となります。経済的な不平等感によって、民族意識が高揚していくのです。
アゼルバイジャン人が優遇され、アルメニア人が冷遇されることで、紛争が起きました。これは、宗教の違いが民族の違いで争われた例でしょう。民族問題は、民族浄化か暴力で解決されていきます。ナゴルノ=カラバフ紛争♯をググってみたください。何度も繰り返した末、今月6日に和平交渉で合意はしましたが、、。
◯「花はどこへ行った」
MISIAさんがコンサートで、「花はどこへ行った」を歌ったそうです。「とにかく、嫌だって思う。人が殺して殺されて、悲しみ、苦しみ、恨みが残るのは歴史の中で分かっている。平和への祈りを込めて歌いたい」と。「戦争の後に残されるものは いつの時代も悲しみだけ いつになったら 人は気づくのだろう」という歌詞にしたそうです。
原題「Where have all the flowers gone?」は、1955年、ピート・シーガーが制作。ロシアの作家ミハイル・ショーロホフの『静かなドン』に出てくるコサックの民謡の歌詞にヒントを得たというので、ここのところ、ウクライナの反戦歌のように歌われるようになりました。
アメリカがベトナム戦争に関わり始めた1962年に、キングストン・トリオやピーター・ポール&マリーにカバーされ、大ヒット、この年以降、同曲は反戦歌として広く親しまれます。
「花はどこへ行った 少女がつんだ。少女はどこへ行った 男の下へ嫁に行った。男はどこへ行った 兵隊として戦場へ。兵隊はどこへ行った 死んで墓に行った。墓はどこへ行った 花で覆われたと続き、再び「花はどこへ行った 少女がつんだ」、最後は「いつになったら わかるのだろう」の繰り返しです。
その後も、多くのアーティストにカヴァーされています。キングストン・トリオ、ピーター・ポール&マリー、ブラザース・フォア、マレーネ・ディートリヒ、コニー・マ・ボス、日本では、デューク・エイセス、中原美紗緒、牧秀夫とロス・フラミンゴス、梓みちよ、雪村いづみ、園まり、ザ・ピーナッツ、倍賞千恵子、加藤登紀子、フォーク・クルセダー、忌野清志郎。
カタリナ・ヴィット選手が、1994年2月、リレハンメルオリンピックの女子シングルのフリー演技で『サラエヴォへの平和の祈りを込めて』で、この曲を使用しましたね。
映画「花はどこへいった」は、坂田雅子監督のベトナム戦争のドキュメンタリーです。2007年。
◯表現と社会活動
小泉今日子さんや大坂なおみさんなどが、社会的なメッセージを発信しています。故木之内みどりさんは、脱原発の母として国際的に主張なさっていました。テーマは、人権ということに移ってきたのです。
デモに出たら騒がれるので、フェスなどに出ますが、チャリティー募金活動とかトークでは関わっても、ストレートに作品に反映されることは少ないのです。
今の日本では、表現活動と社会運動とがあまり結びつきません。社会からテーマがとられ、作品になるのはいうまでもありませんが、アーティストもファンも、できるだけ、芸として純粋化したいのかもしれません。
アーティストとしては、政治的な旗印にされるのは、避けたいのでしょう。
◯事なかれにしておかない
よくわからないことについて黙っておいたほうがいいといった事なかれ主義が続いているわけです。よくわからなくとも、よくないこと、おかしなことはわかるものです。たとえ専門家であれ、本当に全てをわかっている人など誰もいないのです。
だから、思ったことで表現しては、学んでいき、間違えたら修正していけばよいのです。なぜか日本では、アーティスト、芸人、ロックのミュージシャンなど、サブカルチャーで反体制的であるべき人たちが、政治的なスタンスを表明するのは、タブーなのです。日本は、自民一党の独裁体制だから逆らえないと言う人もいますが。
また、営業面で、事務所やプロダクション、スポンサーはもちろん、ファンも、反体制的、反政治的なことを好みません。
結局、日本のアーティストは、保守的で、権力に巻き込まれていくわけです。それがメジャーになること、CMなどで稼げることなのでしょう。
そうでないアーティストをしっかり支えてあげてほしいと思います。
♯ナゴルノ=カラバフ紛争
ソビエト連邦時代の1923年7月、スターリンがアゼルバイジャンに帰属する自治州であることを確定させた。ソビエト連邦の崩壊後は、アゼルバイジャンの一部とされているが、アルメニア人が多く居住しており、隣国アルメニアとアゼルバイジャンの対立の火種となっている。
1990年代のナゴルノ・カラバフ戦争で推定100万人が避難し、約3万人が死亡した。1994年に停戦して、アルメニアが、ナゴルノ・カラバフの大半を実効支配するに至った。
2020年の大規模な衝突でアルメニアは実効支配地域を多く失った(2020年ナゴルノ・カラバフ紛争)。
アゼルバイジャンは人種的に近いトルコの支援を受ける一方、アルメニアはロシアの軍事基地を後ろ盾に持つ。トルコとアゼルバイジャンがイスラム教、ロシアとアルメニアがキリスト教の信仰国。(Wikipedia)