ロシアのプーチン大統領、国連常任理事国が、核で威嚇するのでは、核拡散防止条約の根本理念にも関わるでしょう。
ロシアは、陸で14カ国と国境を接しています。今はウクライナのキエフ公国がロシアの起源とされているのですね。
プーチンは、軍事力に依拠したパワーの信奉者です。2008年ジョージア紛争、2014年クリミア半島占拠。2015年9月末からのシリアへの空爆は、アフガニスタン侵攻から36年ぶりの国外への軍事作戦でした。
その歴史は、モンゴル系タタール人に2世紀以上も統治され、ナポレオンによるモスクワ侵攻、第二次世界大戦では、ナチスドイツの侵略、2千万人の死者と最大の被害を被りました。
今の日本人とは、軍事や防衛に対する根本的な考え方が違うのは、明らかです。
◯ヴェノナ文書
1995年アメリカで公開されたヴェノナ文書で、ソ連のスパイ工作員が、アメリカ政府中枢にいたことが明らかになっています。つまり、第二次世界大戦を引き起こしたのは、ソ連や中国であったというのです。どうなのでしょうか。
◯世界統一の理想の崩壊と日本の役割
私たちは、国際化が進むと、国境がなくなり、世界がひとつになると、20世紀には思っていました。ソ連が崩壊したとき、あとは中国の民主化で、理想の実現が近づいたと思ったものです。
もはや、軍事力や領土問題での争いから、世界秩序を維持しながら、通商の自由化、核不拡散、気候変動への対応というように世界が1つになって、よくしていこうという動きになるものだと。
それが、今世紀に入るや否や、最初は、イスラム、そして、中国やロシアといった修正主義者=リビジョニスト国家のリベンジに巻き込まれることになってきました。
アメリカの一極主導の世界支配を許さないとする勢力が、台頭してきたわけです。
こうした構図があるから、その後の体制、いわば、覇権の方法を考慮すると、ウクライナの情勢は、どちらも引くに引けない状況で長引いているわけです。
日本では、アメリカ側からしか見ていないから、よくわかっていなかったのです。そして、安全保障はアメリカに依存のまま、経済は中国に依存するようになり、板挟みになっているわけです。
大日本帝国において、日本がもっと他の民族を大切に考えれていれば、というのと同じように、アメリカがもっと他の国々のことを大切に考えていれば、うまくまとまったのかもしれなかったのに、と、今更、思っても仕方がないことではありますが。
ロシアや中国も、そう思って動いた方がよいのは、確かなのに、、、です。
グローバル化の限界も見えてきた今、国という壁を壊すのは、容易ではありません。
あまり自国のことを考えずに、広く世界のために活躍したのが、日本人だったのかもしれません。日本人は、国を問わず、世界中に出ていき、よく働き、その国に尽くしてきたと思います。
しかし、1980年代あたりを境に変わったのでしょうか。バブルで、日本人の精神もはじけたのかもしれません。
このあたりで、大きく国際的な視野に立ち、世界への貢献を考えていきましょう。