2021年のノーベル平和賞を受賞したロシアのドミトリー・ムラトフ編集長のリベラル系紙「ノーバヤ・ガゼータ」は、28日、新聞発行を停止しました。当局から警告を受けたためで、ロシアでの報道規制法が成立してのことでした。
言論の自由については、
まずは、失楽園の詩人ジョン・ミルトンの「言論・出版の自由(アギオパギティカ)」
美徳の確保には、悪徳を知り、試してみることが必要。善悪、審議を識別できる能力をつけるのに、それは、実際にはできないから、あらゆる書物から学ぶ必要があるというような主旨です。
ですから検閲はなくして、良書も悪書もあるほうがよいと考えるのです。
「言論の自由を殺すのは、真理を殺すことである。」
同じく
ジョン・スチュワート・ミル「自由論」
功利主義的なものです。言論の自由と行為の自由について、考察しています。
自由が制限されるのは、他者への影響のあるときだけ、という「危害原理」です。
この延長上に、いろんな論議があります。
さらに
サリバン事件の判例、
ニューヨーク・タイムズvsサリバン事件で、
「言論の自由には、虚偽を述べる自由も含まれる」と認められました。
もちろん、虚偽であることを知っていて、あるいは、そういうことを一向に意に介さずに行った場合には、名誉毀損罪が成立します。ただし、訴える側が証明する必要があるということです。
言論の自由の方がプライバシーよりも重いという考え方が、原則です。
ですから、日本とは違い、出版差し止めなども違憲となるわけです。
表現の自由を考えるときに参考となります。