fukugen(福言):出会い気づき変わるためのヒント

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寡占化される歴史と表現

◯便利と自由

もっと便利になることともっと自由になることが、ずいぶんと違ってきているのを感じます。

スマホSNSも、最初は家電などと同じように自分の生活を豊かにしてくれるものと思っていました。ところが、それは巨大IT企業の独占する利益になるばかりか、彼らにあらゆる情報を提供することになっています。彼らが情報操作する体制のなかに知らずに取り込まれているのです。もちろん、プライベートな情報もでしょう。

自由な意思表明をしようとすることが、昔よりもコントロールされ、見えないところで利用されるようになってきたということです。

それも、相手は、国家でなく、私的なオーナーのIT企業です。そこでは、寡占化が進み、年収何千万の人が、たくさんいるわけです。技術者だけでなくマスメディアからも有能な人が移っていきます。彼らが牛耳っていく世界で、私たちもこうして無償奉仕させられていると言えましょう。デジタル全体主義国の中国の方がまともかもしれないと思えなくもありません。

 

◯問題の原因と歴史と思考

生きているといろんな問題に出くわします。しかし、よくよく考えていくと、ほとんどのことは、誰かが問題を起こすのでなく、そういう思い込みに過ぎません。実際は、モノや人の配置や情報のやり取りの仕方、タイミングがよくないことで起きることが、ほとんどです。

週刊誌やワイドショーなどでは、いつも、良い人と悪い人を分け、その対立の構造でわかりやすく煽ります。ドラマチックに事柄を事件化するのです。ときに、良い人が悪い人になってドラマとなり、悪い人が良い人になるとドラマは終わります。

それは、その人個人の問題ではなく、その立場に置かれたら、誰でもそうなってしまうようにも考えられます。SNSは、それに輪をかけて、同調化、単純思考化を促します。

 

私たちの考え方は、根本的な構造を見て組み立てられるのでなく、偉人や悪人のレッテルでわかりやすく分けて、歴史となって受け継がれてきた上に作られてきたんだなあと思うのです。

そうなると、もはや神話やおとぎ話とあまり変わらないかもしれません。

そうした煽りを冷まして見ない限り、どんな事柄も、いつか不幸や悲劇と化し、世の中を脅か続けます。

 

プロパガンダとファクトチェック

なされるべきは、事実の検証です。主張には、裏付けの取材や反証が必要です。

ウクライナ危機の報道を見ていると、ファクトをあげずに、主張だけ報道をしているものが目立ちます。手当たり次第、入手できた同じような写真や映像が繰り返し、結果としてイメージづくりに使われています。先日、プーチンの声分析であげたようにです。まさに情報戦だからでしょう。

私の周りでは、アメリカ、イギリスを中心とする西側の報道をかなり懐疑的に見ている人も多いようです。これまでどれだけ、その報道に騙されてきたのかを考えれば当然のことです。

軍事力で比べると、アメリカはロシアの10倍、ロシアはウクライナの10倍あります。

 

どちらにしても、武器を供与しての代理戦争ということが、はっきりしてきました。

ロシアを悪の帝国にして、ウクライナをヒーローに仕立てました。これまでの紛争やアメリカの侵略や殺した人々など片隅にしか、放映しなかったし、話題にもしなかったのに。まあ、世界の情勢も変わり、日本で国際的な事件をとりあげる気風になったことはよいことです。でも、白人だから、ヨーロッパだから、というのは、誰も言いませんが、確かでしょうね。今、ミャンマーなど、他は忘れられているのです。

 

まあ、いじめる方、力で殴りかかってくる方に、非があるのは、否定しません。

ただ、日本にいるロシア人は、反戦の立場を表明しないと危険にさらされるようですが、そういう行為をすると、国に戻って無事でいられないかもしれないのです。本人が主張したいならよいですが、私たちが、同調圧力をかけないようにしましょう。

 

ともかく、ロシア、中国、北朝鮮などに囲まれている日本のこれからを考える、よい機会です。

自分のところで情報が取れない国では、ウクライナのように情報を操って生き残っていくことさえ難しいのではないでしょうか。