fukugen(福言):出会い気づき変わるためのヒント

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言語と情調 語感

折口信夫の「言語情調論」では、

「言語表象の完成は、音声の輻射作用によって観念界に仮象をうつし出すことによって得られる」と述べられています。これは、音声を聞くと、ある気分が出てくるようなことです。

「音覚情調」(聴覚情調)を形成するのは「音質」「音量」「音調」「音脚」「音の休止」そして「音位」(斜聴)となります。

 

それは、語感にあたります。なによりも、身体の機能として、発声ができるようになるには、生まれてから、1年、ある程度、発音を区別して基本的なことを伝えられるには、3年はかかります。それまでに周りの人の言葉のシャワーを浴び、聞き分ける能力がついてから、母語が形成されていきます。そして、周りの人に直されていくわけです。

発音、発声と、感情は、結びついています。人間の基本的な感情は、国や民族を問いません。当然、似たような発音や言葉になることも多いです。笑ったり怒ったり泣いたりするとき、言葉になってないところでの声の感じは、案外と万国で共通しているものです。ため息や疲れたときの声、気持ちのよいときの声なども、です。

それが、オノマトペになってくると、どのように聞くかということもあり、さらに継承されている言語文化に合わさっていくわけです、動物の鳴き声が、ワンワンとバウバウなど違ってくるのは、その一例です。