◯音の味付け 聴覚と味覚の連動
考えるまでもなく、当たり前に思えるようなことでも
研究してエビデンスを出していくのが、科学と言えるのかもしれません。
店なら、客を長居させたいのか、早く回転させたいのか、
食べる側には、何をどのぐらい勧めるのか、
肉と魚と野菜、どのように食べさせたいのか、
そういったことも、直感的に、売れる店舗のオーナーは行ってきたわけです。
まずは視覚、色などからです。
食欲を掻き立てるには、、、
マクドナルドの赤というのも、その食欲や滞在時間と関係します。
最近は、青で着色した食べ物も出てきましたが、なかなか慣れないものでしょう。
そして、聴覚、BGMなどですね。
ときに音楽は、聞いていたときの記憶を想起させるので、
好みの個人差が大きいですね。
歌などは、すごく影響力が大きいので、使うのは難しいです。
そこで長く使われるBGM、クラシックやジャズ、
ビートルズなどが、いまだに使われているのは、
すごいことです。
<イタリアのカンパニア大学の研究チームは、周囲の環境が変わると低糖オレンジジュースの味の知覚がどう変化するか調べた。
暖色の照明で、背景が赤く、周波数の高い音が流れている環境ではジュースはより甘く感じられ、寒色の照明で背景の色が緑、周波数の低い音が流れている環境ではジュースは「濃く」、香りが強く感じられる。
「音楽の使い方次第で食べ物の味を変えられる『音の味付け効果(sonic seasoning)』には、驚きしかない」と、オックスフォード大学のチャールズ・スペンス教授(実験心理学)は音が味の知覚に与える影響を幅広く研究してきた。
2017年に別の学術誌にスペンスらが発表した論文によれば、耳に心地よい「甘い」音楽を流すと、「耳障りな」音楽を流したときに比べてチョコレートの味わいが大きく変化したという。
「少しの砂糖が入ったブラックコーヒーもしくはダークチョコレートを渡して、甘い音楽、あるいはビターな音楽をかければ、大多数の人が甘い音楽を聞きながら食べるチョコレートのほうがより甘く感じると答えるはずだ」とスペンスはいう。
Newsweek2023/12/31>