◯口パク疑惑
<パリ公演のスウィフトの動画をXに投稿したユーザーは、スウィフトがTTPDに収録した「I Can Do It With a Broken Heart」を歌いながらダンスを踊るエネルギッシュな場面で、
「嫌なことを言うつもりはないけれど......口パクってみんな分かるよね?」と。5/13>
とはいえ、かなり前から、口パクは、日本のテレビや舞台でも目にしてきました。
ダンスを交えた派手な振付での歌唱は、口パク。
ベテランや高齢の歌手、大御所、あるいは実力派歌手の不調時にも。
ダンサブルなパフォーマンスのライブでの口パクは、責められることではなくなってきています。マイケル・ジャクソンのステージあたりで、価値観が変わったのです。
まして、誰の声でも合成でき、レコーディングはもちろん、ライブでも加工できる状況では、アカペラを売りとする歌い手以外で、論じても、どうなのでしょうか。
私はモノマネ歌手との歌唱と比べ、本物を見抜いてきましたが、
最近の歌手では、間違えることもあります。
モノマネ歌手の方が実力があるなら当然でしょう。
モノマネ歌手の歌唱レベルが高くなり、また、オリジナルの歌手の歌唱にも、相当な加工が施されるようになったためです。
つまり、声そのもので感動させる要素を歌も歌手もなくしていっているのです。
歌手の実力不足というよりは、声への感性、関心も変わったのでしょう。
これは、聞く方にもいえます。
もとより日本のポップスにおいて、声のパワー、インパクトは、さほど問われず、
欧米のポップスを追いかけなくなったら、
「のどを聞かせよう」とする分野以外は、こうなるのは、みえていました。
アイドル、アニメ、かわいいという方に、歌が寄せられていったのも、その一因でしょう。
ヴィジュアライズされ、音楽として複雑に難しくなったとか声が音楽の一つの素材になったとか、いろんな要因があります。
ただ、日本人は特に人間の強い声より、AIやデジタルの合成音声に相性がよいようです。
これは、アニメの声優やアイドルの声の影響が大きいでしょう。
若い外国人の感性さえも変えていくようです。
カラオケの普及以上に世界の声感覚に大きな変化をもたらしそうです。
そういえば、桑田佳祐さんが、当初、歌詞のメッセージより語感重視を志向していたような発言がありました。日本語ロック論争についての番組でした。(NHK Eテレ「世界サブカルチャー史 欲望の系譜 シーズン4 21世紀の地政学」 ポップス編 第2回 5/24)
<スウィフトの口パク疑惑は、2月の東京公演の動画についても浮上していた。
スウィフトを「世界最高給取りのカラオケ歌手」と批判する声もある中で、
ユーチューブ番組「This Is Tech Today」の司会者M・ブランドン・リーは、アーティストがみんなコンサートで口パクをしているという主張に反論した。
「口パクは一部(の公演)にすぎない(スーパーボウルが好例)」
「補助音源を使うのは珍しいことではないけれど、歌は本物。
グラミー賞は、ステージ上のパフォーマンスは、歌手もバンドもみんな本物の生演奏だ」
昨年3月にアリゾナ州グレンデールでスタートしたスウィフトのツアーは、12月までに152のスタジアム公演を予定している。チケットの売上は約14億ドル(約2170億円)、史上最大の利益を生むツアーとなる。(BANG Media International/よろず~ニュース編纂)>
<『ミュージックステーション』では、『山下智久の口パクバレ事件』(2006年/11)も挙がっている。『抱いてセニョリータ』を歌っていたときのこと、スタンドマイクが倒れてしまうが、なぜか歌は続いて……。これには「見てはいけないものを見てしまった」との声が。>