fukugen(福言):出会い気づき変わるためのヒント

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属性での差別批判と個としての自分

◯一例としての女性差別問題

これまでも論じたように、実力があるのに女性だから昇格させられなかったようなことは、断固なくすべきです。しかし、実力で劣るのに女性ということで昇格させるのは、そのために昇格を見送られた男性への逆差別になります。

そのこととどう折り合いをつけるのかは,何をもって実力というかによるので、難しい問題です。

今の状況では、女性社員やその役員比率なども、なんか会社のイメージアップに使われているようで、誰もがすっきりしないのではないでしょうか。

 

女性だから一般職で出世しなかったのは,多くの人に結婚での寿退社が理想的な人生だったからです。それは世間も女性自身もそう思っていたのです。それを洗脳や押し付け,思い込み、差別というのは,今の時代の見方です。

もちろん,当時もそう考えなかった人もいましたし、働きたい人や結婚しない人には,厳しい壁となったわけです。それが、多様な価値観の認められる社会が理想とされ、変わってきた、そのことが評価できることに疑いはありません。

その陰に、男性の総合職で、残業、転勤ばかりなのに、出世しない人もいたのです。でも,多くは、女性の総合職よりも早くとか上に出世した,そこは明らかに差別でした。出世や昇給からみると、ということで、その価値観自体も崩れてきているのですが。

 

「女性ゆえに恵まれない、辛い」と言うのは、一面では本当だとしても、男性でもいろんなパターンがあったということです。もっと恵まれない,辛い目に合った人も多いのです。

そんなに女性だけにひどい社会なら「なぜ男性よりも10歳も健康寿命を含めて長く生きられるのか」と、「女性の自殺者が増えた,でも総数では二倍も男性が多いのに」など、突っ込んでいた時期もありました。ここで深謝します。でも、大きなことなのに、あたりまえのこととしてスルーされています。よく言われる、「生物学的に,,」って,説明こそ、差別では。あ,すいません。(このコロナ禍での若い女性の自殺増加は、確かに無視できないべ要因があるのですが、これも簡単に一括りにできないでしょう。)

 

◯属性での差別問題としてみる

女性であれば男性を非難できるが、男性で女性を非難するようなことは許されない、そのこと自体、逆差別であり、ある意味で、アンフェアにもなっていました。未だに、その辛い状況を取り上げてもらえない男性、あるいは、その他の集団は、かわいそうです。こうしたことは、マイノリティに当てはまることです。

 

属性を女性とし、男性女性の対立で述べてきましたが、この対立が成立しないというコペルニクス的転回が起きたのです。もはや,その対立で考えることが古くなってきています。LGBTQ,いろんな人がいるのですから。

ですから、女性の差別問題で片付けるのでなく、属性でのあらゆる差別問題の一例として扱いたいのですつまり、「女性ゆえに」を、「◯◯ゆえに」にして扱いたいのです。ご理解ください。

 

◯属性でなく、個としての主張にする

というのも、先述したように、本人もその属性に逃げ込むことで、自分という個人での生き方を自ら否定することになりかねないと思われるからです。

今のメンタルの問題も,そこに起因するところが大きいと思います。

「社会のせいにすることで、個人の自力での解決を遠ざけている」というような主張さえ,

「個人責任と言うな」「社会構造のせい」「自分でなく育ちや政府が悪い」という、

今,求められるような、一見、やさしい論調で括られていくと,

真実が、見えにくく、言いにくくなります。

それは,個人、自由を否定することになりかねません。

 

個と自由を選ぶなら、本人が努力して苦労して強くなっていくのが、前提です。

それが押し付けられず,自分で選べるようになった、

だから,押し付けられた時代よりも人間が駄目になったとしたら、

きっと、その頃よりも不自由な全体主義の時代になっていくでしょう。

 

ドラマ「エイジレスハラスメント」では、女性上司のハラスメントや男性のおかれた厳しさも描いています。女性の年齢への偏見を打破しつつ,性を超えた個人としての主張に賛同するゆえにお薦めしてきたつもりです。

 

この話,問題提起として、いったん切ります。

この1週間、行ったり来たりして,すいません。