fukugen(福言):出会い気づき変わるためのヒント

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Z世代の歴史的考察

◯歴史軸から空間軸へ

Z世代論、かつて三年ごとくらいに大人社会に馴染んでいったような変化、成長が、この世代全体を通して、さほど伺えません。20代も30代も、10代のままのように捉えられます。

私がその世代と離れたせいで、そう見えるのなら、いつの時代でも同じといえるのですが、、。

 

大人になる成人儀式も社会に入っての再教育も、なくなっていったこともあるでしょう。少なくとも、社会人になるにあたって、「洗礼」を受けるほどの厳しさはありません。体育会系の精神修養や不合理な研修などはハラスメントとして受け入れられなくなったでしょう。

 

そもそも、上に合わせるという規範が消滅しているようです。

彼らZ世代にとって、上の世代は、反発したり打倒したり乗り越えたりする存在ではなく、そうした対象として認識されていないように思うのです。目標にもなっていないでしょう。

上司どころか、親とも対立しません。友だちのような親子も多いようです。

 

ここで、大胆にいうなら、歴史が分断され、時間という縦軸がなくなり、空間という横軸だけのグローバルな世界へと変わりつつあるのかもしれません。すごいなあ。

 

これまでの伝統、文化、風土、慣習が、人間、つまり年配者や先達を通してでなく、およそITネットワークから検索順で得られるようになったとき、何が起きるのでしょうか。

 

たとえば、私たちの青年期、そのときの流行の音楽と3年前、5年前、10年前、20年前、生まれる以前のものには、明らかな区別がありました。それぞれの音楽は、それを聞いた世代、人間と結びついていました。

今は、10年前の曲も1960年代の曲も、順不同に聴いて知っていくというようなことです。

 

この点で、前回述べた現実体験の軽視、そして、それに替わるバーチャル体験の拡大は、頭でっかちの人間になること以上の大きな変化をもたらしそうです。

 

◯Z世代からのパラダイム変換

読書のなかの世界が、ゲームでインタラクティブになりました。それが、今後、メタバースで現実とリンクしていくならば、さらに複雑なことになることでしょう。

大きなパラダイム変換の予感がします。

 

こうして、現代を、歴史軸から空間軸への変換の時代とみると、Z世代の行動様式は、とても興味深いと思いました。

Z世代論を通じての新たなる問題提起です。それを踏まえて、Z世代とそれに対する人へのアドバイスを次回、試みたいと思います。