fukugen(福言):出会い気づき変わるためのヒント

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ことばの虚無化と声からの身体性の復活(11) /朝ドラ

 ◯朝ドラ

4月からは、連続テレビ小説「虎に翼」#、法曹界の主人公だそうです。 

 

 

◯タイパ快感のゆくえ

 

共感というのは、快いことです。

たとえ、内容がなんであろうと、相手とのやりとり、既読をつけあうこと自体が、コミュニケーションであり、共感の証しとも思われているのでしょう。

たとえ、不特定多数でも、相手がどこの誰だか知らなくとも。

私たちは、寛容に、相手を傷つけぬように、自動的に承認していきます。

 

フォロワーやアクセス、「いいね」の数ばかり、気にして一喜一憂する、

ランキング、ブランド、口コミ評判が大好きな日本人は、特にハマりやすいのでしょう。

それは、同調圧力と、どう違うのかと思うのです。

 

そうした形ばかりの寛容性とタイパ感度ばかりが高まると、どうなるでしょう。

自分の五感=身体でなく、頭に働きかけてくる快だけを中心に行動することになりかねません。

となると、しだいに、不快なものは、我慢できないものとなっていきます。

身体の柔軟かつ強靭なレジリエンスは、衰えていきましょう。

 

一方で、加熱し暴走し続ける、匿名でのSNSでの悪口、誹謗中傷は、そういうことの反動とも思えます。

 

すぐに返事が来るのは、快感です。こないのは、不快でしょう。

それはまさに「今、ここで」の感覚です。

 

タイパの絶対視、タイムパフォーマンスと正確にいうような時間さえ惜しむ、

すぐに結果を合理的に求める習性が、はびこってしまったのです。

 

 

#【NHK朝ドラ】連続テレビ小説「虎に翼」

<4/1より 主演は伊藤沙莉。日本史上初めて法曹の世界に飛び込んだ女性の実話に基づくストーリー。伊藤沙莉(さいり)(29)が演じるヒロイン猪爪寅子#のモデルは、日本初の女性弁護士の一人で戦後に裁判官になった三淵嘉子#(みぶちよしこ)(1914~84)

【作】吉田恵里香【音楽】森優太【主題歌】「さよーならまたいつか!」米津玄師【語り】尾野真千子【キャスト】伊藤沙莉  石田ゆり子 岡部たかし 仲野太賀 森田望智 上川周作 土居志央梨 桜井ユキ 平岩 紙 ハ・ヨンス 岩田剛典 戸塚純貴 松山ケンイチ 小林 薫>

 #三淵嘉子

<シンガポールに生まれる。

1938年 高等試験司法科試験に合格し明治大学を卒業

1940年 第二東京弁護士会に弁護士登録

明治大学同窓の中田正子久米愛と共に日本初の女性弁護士。

1947年、司法省民事局局付を経て、最高裁民事局局付、家庭局創設に伴い初代の家庭局局付に就任

1949年6月4日に初の女性判事補となった石渡満子に次ぎ同月28日に東京地裁判事補と。

1952年、名古屋地方裁判所で初の女性判事となる

1956年、裁判官の三淵乾太郎と再婚。三淵姓に。

1956年、東京地裁判事となる。原爆の責任を訴えた「原爆裁判」を担当

1963年12月7日、判決は請求棄却とするも日本の裁判所で初めて「原爆投下は国際法違反」と明言

1963年より1972年まで東京家庭裁判所判事。計5000人超の少年少女の審判を担当

1972年、新潟家庭裁判所長に任命され、初の女性家庭裁判所長となる

1973年11月 浦和地裁所長

1978年1月 横浜地裁所長

1979年 退官

1980年 再び弁護士となり、日本婦人法律家協会の会長や労働省男女平等問題専門家会議の座長

1984年5月28日 69歳で死去。>