◯絶対王者へ向かうとき
世界卓球準決勝、第一試合だけ、フルに見ました。15歳の張本美和選手と香港のエースとの戦いです。
彼女の出現でパリオリンピック選考漏れした伊藤美誠選手が、窮地の張本選手に親身にアドバイスを送っているのが印象的でした。
中継で、その文言が聞き取れるほどで、そのうちこういったものは、相手にもそのまま伝わるのではないかと心配になりました。(もう、そういうものになっている?)
というのも、卓球は、気持ちと修正能力がストレートに強く反映する競技のように思うからです。
もちろん、野球など他のスポーツでも、相手と対決しつつ対応を修正していくわけですが、どこまでこまめに即時に修正できるのかというと、秒単位の勝負を重ねていく卓球ほどではないでしょう。
それにしても、卓球では、代表選手が、常にシングルで争いつつ、ダブルスや団体ではチームとして協力しなければいけないという過酷な状況におかれます。
きっとライバル選手の弱点は、チーム内のメンバーが誰よりも知っているわけです。
その克服法を教えることは、ライバルの力をつけることになります。
しかし、中国という絶対的な王者がいることで、多分、知ってる限りのアドバイスを、惜しみなく日本の選手は、明日は敵になる同僚の選手に与えられるのではないかと思うのです。
全員が世界ランキングのトップに入り、勝つのが当たり前になっている中国の選手たちとなると、気持ち的には、団体でも確実に勝とうと思いつつ、なかなか相互に協力するのも難しいのではないでしょうか。
で、政治を思うに、絶対王者がアメリカだとすると、日本はずっとそれを追いかける卓球日本のような存在だったわけです。が、GDPでは、中国、ドイツに抜かれました。
団結して、上を目指そうという気持ちは、いま、どれほど、あるのかでしょう。2セットとられて、逆転する気概はあるのでしょうか。
ますます、愛国、愛党、愛習(近平)教育に傾倒する中国は、日本を抗日として、どんどんと悪者にしていきます。歴史教育というのなら、日本が行ったよくないことと同じくらい、よいことも取り上げ伝えて欲しいものです。
アジアで一つのチームとなれないのは、欧米の計略でもありますが、近いとどこでも、仲良くなりにくいのですね。それでもEUの試みは、良くも悪くも参考になります。
久々に、卓球で、そしてスポーツで、感動した勝負でした。
今日の中国戦、健闘を祈るばかりです。
<世界卓球団体戦 女子準決勝が行われ、日本が香港を3-0で下して決勝進出。53年ぶり中国との対戦が決まる。2/23
第1試合では、張本美和が0-2とリードされながら大逆転。敗れた香港エースの杜凱琹は「まだ若いが実力は素晴らしい」と脱帽。
平野が「伊藤監督」と呼んだ伊藤美誠のアドバイスを張本は真剣に聞いていた。
「張本選手が勝って1-0で回してくれた」、
「これだけで大舞台で結果を出せるのが凄い。格上の選手に0-2から負けていて、3ゲームを取り返す。普通はできない。人間じゃないんじゃないか」と。
本人は「いやあ、人間なんですけどねえ……」
「毎試合やらせていただく試合で成長させてもらっている」と語った。>