◯「カズレーザーと学ぶ。最新脳科学で好感度爆上げ!!脳ダマし嫌いを好きに&モテ声発声法」(日テレ1/30)
<最新脳科学で人の心はここまで見えた!気になる相手の本能を揺さぶる好感度の掴み方!
▼日本人は見た目よりも声を重視? 脳に直接訴えかけるモテ声の秘密は○○Hz&明日からできる発声法>
科学バラエティ番組のトリックについては、何回も言及して取り上げてきました。科学だけなら理論で済ませられますが、それを医学、健康に結びつけたり、心理、メンタル、コミュニケーションにつなげることで、日常生活にまで実害を生じることがあるからです。
こういう番組では、一般人の常識と異なる研究成果や新しい見識がやたらと強調されます。
今回も、「日本人は見た目よりも声を重視する」とあります。そうなれば、
「人は見た目が9割」のようなベストセラーなどを含めたコモンセンスに対し、
それを覆す新しい研究成果が出たのか、最近の日本人は変わったのかなど、誤解されるのです。見た目より声が?
しかし、番組を見れば、見た目との対比でなく、日本人は外国人ほど見た目で判断しているのではないですよ、という比較です。
外国人は表情やジェスチャーが日本人より豊かで大袈裟だから、日本人の能面、ポーカーフェイスでは、声のトーンなどで察するくらいで、まとめたらよいのです。
日本人は、表情や声の使い方、トーンなどを伝える技術も外国人一般ほど長けてはいないし、中年以上の男性は、それを読み取る機微にも欠けていると言ってもよいのですが。
まあ、普通に考えたらわかります。このくらい程度が低ければ、見さえすれば、その番組のPRが誇張、誇大PRだとわかるのですが。
私の指摘、クレームは、番組内容を誤解させるような一面を切り取るコピー、キャッチの文面についてです。
ワンフレーズだけが、一人歩きする、明らかに誤解されてしまうことになるにも関わらず。そのインパクトを使って広げようとするわけですから、炎上商法そのものでしょう。
そこで、科学的なエビデンスと絡めたり、新発見のように、虚偽文面の拡散はやめるべきです。
私たち日本人は、信じやすく、疑いを持って自分で確かめることに不慣れな国民です。
ですから、欧米人のデータや何十年前の実験、動物実験などでの紹介、それを根拠に健康商品やサプリ、特定の成分のみの摂取を勧められても、鵜呑みにしないことです。
金銭詐欺も罪ですが、健康被害、生命に関わることは、それで済みません。魅力やモテにとどまれば、さして実害もないのですが、健康に関することでは危険を伴うこともあるからです。
医者や学者は、PRに利用されているのを自粛するべきなのに、出たがりばかり、節操のないことです。
科学の名を使った説得のごまかしについては、再々、警告してきました。常識や先祖代々の知恵をたえず念頭におきましょう。科学やエビデンスは、訂正の歴史です。
新たな反例一つで、くつがえるのです。そこを忘れないことです。
とはいえ、今回のは、科学ではなく、俗流解釈、都市伝説の類でしょう。
加えておくと、 メラビアンの法則も、3000HZの効果や出し方も、誤用です。
(たとえば『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系列)のように、最後に、個人的な認識、バラエティであるというのを強調してほしいものです。この番組では、終了後のエンドロール後には「この番組に登場する情報・見解はあくまでも一説であり、その真偽を確定するものではありません。『ホンマでっか!?』という姿勢でお楽しみ頂けると幸いです。」というメッセージを入れています。)
<「好感度爆上げ!モテ声の秘密は3000ヘルツ」最近の研究によると日本人は「見た目」より「声」を重視する傾向が強いということが判明。欧米人と比べて日本人は感情を表情に出すことを好まない。そのため、声で感情を読み取ろうとする傾向が強いのではと。見た目に自信がなくても人を本能で魅了する声になれれば、 モテる可能性が大いにあるという。好感度が爆上がるモテ声に必要な条件と、誰でも簡単にモテ声になれる方法を紹介。>
<森山教授は、人の声や表情、動作などについて研究しており「自動画像解析による中顔面矯正治療の定量評価」「韻律の部分空間を用いた感情音声合成」等の論文があります。その監修の下で2011年にリリースした「モテ声診断ツールVQチェッカー」(2017.2サービス終了)はアクセス回数が1200万回超。>
<「日本人は見た目よりも声を重視する」という研究結果を披露したのは、東京工芸大学 工学部 森山剛教授。教授は声と表情を用いた実験を紹介し、日本人が声のトーンで相手の感情を判断する割合が多いことを示したうえで、声で人の本能を魅了することが可能なのではないかと語った。その際に重要なのは、声の大きさではなくトーンなのだそうで、3000Hzという周波数を響かせることができれば、相手の好感度を上げられる可能性が高まるのだとか。
声を響かせることで3000Hzを混じらせることもできるため、全ての人に3000Hzを出せるチャンスがあるという。この3000Hz付近の音は、人間の耳がよく聴こうとする周波数であるため、相手の耳がキャッチしやすく聴覚神経から大脳辺縁系に伝わり、快楽物質であるドーパミンが分泌される可能性があると教授は語った。発声のなかでも「い」や「え」の音は響きやすいとし、骨盤を立ててアゴが引けた状態で発音することや、腹式呼吸を意識し言葉の1文字目をはっきりと発音することで、声に含まれる3000Hzの響きを出やすくすることができるとアドバイスした。gooニュース⅓>
<人とのコミュニケーションで、「言語情報7%」「聴覚情報38%」「視覚情報55%」という割合で影響を与えていることを示した心理学上の法則です。アメリカの心理学者であるアルバート・メラビアンによって提唱。「3Vの法則」「7-38-55ルール」などとも。
言語情報(Verbal)、聴覚情報(Vocal)、視覚情報(Visual)が一致していないときに、どの情報が相手の印象に影響を与えるか示したのです。
その実験とは、まず、「Maybe」といろんな口調で録音したのを、聞かせて反応をチェック。柔らかい口調より強い口調のほうが、より強く説得力を感じたことで、言葉そのものが持つ意味よりも、聴覚から得た情報で判断が左右されたのだとみました。
次に、「好意」「嫌悪」「中立」を示す表情の写真と、それと矛盾する言葉とを組み合わせて見せ、どのような印象を持ったか質問しました。
このとき、言葉の意味通り「好意」を感じ取れば、言葉の影響力が強く、「嫌悪」を感じれば視覚や聴覚から得た情報が優先されたとみます。「言葉」と「表情」に統合性が取れない場合は、人は、言語情報よりも表情という視覚情報を優先するのです。
⬜︎言語コミュニケーション(バーバル・コミュニケーション):言葉を使ったコミュニケーションで、会話や文字などの印刷物、声の大きさやトーンなど。
・言語情報Verbal:話の内容や言葉そのものが持つ意味など。例、メールや手紙の文字など。7%
・聴覚情報Vocal:聴覚から得られる情報、声の大きさやトーン、速さや口調など。例、電話の会話など。38%
⬜︎非言語コミュニケーション(ノンバーバル・コミュニケーション):顔の表情やジェスチャー、服装、人との距離感など、言葉以外のあらゆるもの。
・視覚情報Visual:相手の表情やジェスチャー、視線の動きなど。ボディランゲージとも呼ばれます。55%
コミュニケーションをとるのに、非言語コミュニケーションは大きな役割を果たしますが、メラビアンは、非言語コミュニケーションが何より大切だと言っているわけではありません。
非言語コミュニケーションが優先される割合が93%という実験結果だけに注目し、話の内容より第一印象を重視すべきと誤解されて使われているケースがほとんどです。
これは、法則などといえるものでなく、言語・聴覚・視覚において、矛盾した情報を得たときに、どの情報が優先されるかを調べたものです。
かなり限定された特殊な条件下(単純なコミュニケーション)での実験結果に過ぎません。日常生活のシーンで、そのまま当てはまるわけではないのです。
日常会話では、複雑な言葉やボディランゲージなどを組み合わせてコミュニケーションが行われます。情報量も多く、それらを複合的に利用し判断しているのです。「言語情報7%」「聴覚情報38%」「視覚情報55%」という割合が当てはまるのではないのです。
俗流解釈として、見た目が一番重要とか話の内容よりも喋り方が重要という使われています。でも、どちらともとれるメッセージを送った場合に、受け手が声の調子や身体言語を重視することを言っているくらいのことです。
コミュニケーション全般においてこの法則が適用されるようなことを、メラビアンが提唱したのではないのです。>