fukugen(福言):出会い気づき変わるためのヒント

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職人の生き方 「ニッポン行きたい人応援団」(2)

続きです。

 

◯外国人と職人の世界

言葉も文化も違うような外国人に、わずか数日で、秘訣など教えようもないのですが、その辺はテレビの編集技術もあって、また彼ら自身では巡り会えなかったその分野を代表するような人々に会わせ、短期で試行錯誤し、作品づくりまで、一気に見応えあるものにまとめています。

 

普通であれば、見学もお断りとか、 3年5年かかっても教えてもらえないことを、外国人の場合は、受け入れること、特にテレビなどのマスメディアが入ってくると、外国人さまさまで、ていねいにもてなし、手伝い、ほめて、結構、早く、一丁前にしてしまうのが、どうも気に食わなく思っていた頃もありました。この番組に限らず、です。

日本人の島国感情なのか、遠くからの一見客には愛想良くするのに、同じ日本人、身内の者には厳しくし、自分が苦労したのと同じように苦労させようとするような傾向があります。

パワハラめいた、義理人情が残っている世界も少なくないからです。

 

今の若い人は、むしろ外国人のような感覚で育っているのですから、最初は、YOUのように扱った方が間違いはないでしょう。

そうではない昔ながらのところは、滅びていきつつあるわけです。

移住者の受け入れなどでも、失敗の話をよく聞きます。参考になるはずです。

もちろん、そうでないから、よいところもあり、昔の流儀を貫いて、うまく継承しているところもあります。

 

 

◯職人という生き方

ここでも、タイパ、コスパなどを取り上げてきましたが、効率ばかり、できるだけ働かないで収入を得られたほうがいいとか、汗を流して働くよりは、不労所得や、資産運用で暮らしたほうがいいなどと思っている人が多くなりました。特にネットでは、媒体の性格上、その傾向が強くなるものです。

身体が動けない歳なら、ともかく、身体が動くうちは、身体を使って、仕事も遊びも存分にしたほうがよいです。特に若いときは。

 

日本において、ものづくりの職人たちの生涯現役の生き方は、貴重なものだと思います。

 

私も、いろんな人たちに会ってきました。そうした生き方をお勧めしてきた立場です。

30代のくらいまでは、やたらと多くの人と会い、どんな仕事も断ることなく、引き受け、全力で走り抜けていました。

それがだんだん、自分しかできないものだけをやることにして、他の人にできることは任せていったら、同じことを繰り返し、深める毎日となっていきました。

私の場合、人生の前半期に広げるだけ広げていたから、おのずと収縮してきたのだと思います。なんとか、職人の生き方に近づいてきたようにも思うのです。おこがましいかな。