シュルレアリスム、出たついでに、
日本でのシュルレアリスムは、無意識や偶然性といった考え方ではなく、形式として取り入れられ、端的にいうと、ありえない組み合わせの絵画のことのようになりました。
私などは、十代の頃、シュールレアリズムと言っていたような気もしますが、
シュルレアリスム surréalisme フランス語
シュールリアリズム surrealism 英語
です。
アンドレ・ブルトンの『シュルレアリスム宣言』に発した語なので、
フランス語の表記を優先してよいのでしょう。
シュルレアリスムは、超現実主義と訳されてきました。
これは「現実を超えている」で、超は、「現実とかけ離れている」という意味です。
要は、「幻想的な」であり、「非現実の」です。超は、非なのです。
日本語で「シュール!」などと言う場合は、そうした意味のほかに「サムい」のニュアンスもあったりします。
この「超」という日本語が、「チョー」と使われるようになり、さらにややこしくなりました。超えるというのが、より程度を強めたもの、並外れた、ケタ外れ、桁違い、とんでもない
もの、
であれば、英語では、スーパーです。
でも、スーパーリアリズムSuper Realismは、写真と見まごうほどそっくりな絵画などをさします。これは、シュルレアリスムとは、全く別方向です。
こういうややこしいことは、よくあります。
プライスレスpricelessなど、英語を習った頃、パッと出てきたら、反対の意味に取りかねないですね。valuelessとは、逆ですね。primeというのもあるし。
ちなみに、英語で、チョーというのは、chore です。
その意味は、
<雑事、雑用、〔家庭内や農家で毎日行う〕仕事、作業。
炊事、洗濯、家畜の餌やりなど毎日決まって行う作業。
面倒な[つまらない]作業。
Cleaning is never a chore for her. : 彼女は掃除を少しもおっくうがらない。
雑用をする(参考 英辞郎)>