◯ネットでの感情支配
ネットは、感情を増幅します。その結果が拡散、炎上です。
それは、憎悪や嫌悪を増やします。連携するときにも使えますし、攻撃するときに最も威力を発揮するのです。人々の無意識を引きずり出して感情的にしてしまうからです。
きちんと考えずに思いをぶつけるのは、簡単だからです。
言葉よりも映像の方が楽だからと、ブログよりTwitter、youtubeからInstagram、TikTokとなっていったのです。
そして、言葉で考えることがめんどうになると、さらに感情に支配されやすくなっていくのです。
ロボットが私たちの肉体の作業を助けたために、私たちの身体能力は衰弱しました。それと同様に、AIが頭脳の替わりをすると、人間が主体的に考えなくなりかねません。
いえ、思考力のある人間とそうでない人との格差が広がるということです。
◯自由とAIと支配
子どもは、自由を欲します。自由というのは、自由だから、間違えることも多いのです。
ですから、親も教師も、子供が自由に行動するのを防ごうとします。間違えないようにするためです。
それに対して、子供は、そこで挫折したりを乗り越えたりしながら、大人となります。そこが人間らしい葛藤です。うまくいっても失敗しても、人生のドラマとなります。
自由を使いこなせる人によって、世の中も価値観も試行錯誤を経て、変わっていきます。
自由がよいという価値観は大切ですが、どちらかというと、自由を助けてあげるという人や道具によって、それが奪われていくことも多いのです。
いや、ずっとそうなってきたのです。それに気づかないことも気づこうとしないことも多いです。どんどんと巧妙になってきているからです。
AIに頼ることは、さらにそれを進めてしまうことに思われます。
でも、人間とAIとの支配の闘争となるのか、人間がAIを使いこなすのか、わかりませんが、人間の考える質が落ちていくなら、そうした人間の支配こそ、災難といえるでしょう。