◯自由意志の尊重
個人が自由に生き方を決められる世界は、理想とされてきました。
今の時代、どうでしょう。才覚次第で、なんとでもなれるしできるとなりました。出自も生まれも関係なく、自分で人生を選べるのです。
とはいえ,実情は、親ガチャとも言われ、生活や教育環境により機会が得られない人も多く,とても平等な社会とはいえません。才覚次第になるほど、格差は拡大するのです。
できる奴は少数、できない奴が多数だから,自由な実力社会は成り立ちます。皆が努力してできるようになっても,また,そこで選りすぐられるからです。
結果、一部の人間だけが幸せになり、これまで救われてもいた制度を否定することで,多くの人が幸せになれなくなる,あるいは、生涯をならしてみたときに一昔前よりも困ることが多くなるのではないでしょうか。
何を幸せというかによりますが,それこそ感じることですから。
◯安定志向
昭和までのお家制度維持のための政略結婚や上司や知人の薦める見合い結婚で,生涯を供にした夫婦は,決して不幸だったわけではありません。無理に結婚に追い立てられたようでも、生活するなかで愛情が芽生えて,よい関係を貫いた夫婦はたくさんいたでしょう。
元より結婚や一夫一妻制度は、平等に公平に生涯を幸福に過ごせるために、普及した制度です。旧統一教会のように教祖さまが結婚相手を決めるのは,あんまりのようですが、かつては似たようなものでした。相手と見合うことなく決められた結婚も,生まれたら決まっていた結婚もあったでしょう。
年配の人のアドバイスの方が、大人になったばかりの若い人の判断よりも的確なことが多いものです。子供の生涯を心配しない親はいません。だから安定を推します。
それでも、時代は変わります。親心や善かれの押し付けが裏目に出ることもあります。
◯自由意志と自己決定権
就職も結婚も自由、自己決定をする、自分の人生を自分で決めることとなりました。
戦後、私たちの世代までは、親の反対を押し切って,就職や結婚したものです。今は、親もそういう風潮を受け、子供の意思を尊重し、対立することは少なくなりました。
当然、うまくいかないケースも多くなりますが、それでも、人間は自由を求めます。
自分で決めたいという本人の自由意志が,なによりも尊重されるようになったのです。
◯現実は,勝ち組だけの一人勝ち社会に
たとえば、ですが、芸能界のアイドルは,アイドル同士か富豪か,それなりに特別な人を選び合います。
普通、そういう人に憧れたり恋しても,ほとんど思い通りにならず、諦めます。
そうなると、自由な時代ですから、無理に結婚は選びません。
クラスの人気者,モテ組通しが、その他ほとんどのクラスメイトの羨望の元でゴールイン、かつては、残りもの同士での妥協でカップルになりました。
今はそれなら一人でよい、一人がよいとなります。
一人でも生きられる社会環境が整ってきたからです。
自由と実力社会と自己責任のあり方が問われています。
でも、人生は生涯,それも後半、死ぬときに決まるものではないでしょうか。
で、まとまらないな,で、続きます。