彼らの理念が受け継がれるのは、難しいことのようですね。
◯企業再生成功のからくり
稲盛和夫さんのようなカリスマ経営者が、危機に瀕した企業の経営を引き受けると、わずかな期間で、大赤字が黒字になり再興できてしまう、カルロスゴーンのような外圧、というか外国人CEOや外資が入ったときも、同じです。
そうした奇跡が、日本の企業再生で起きるのは、なぜでしょう。
それは、なんら奇跡でもマジックでもありません。社員の働き方を正常化するからです。
つまり、労働生産性を正せばよいということです。
それまでの正社員の能力の出し惜しみとブルシット・ジョブを止めさせるのです。
まず、人員削減に大なたを振るいます。
本来なら、それは組織の力を削いでしまうはずです。でも、そうならない、というのは、それだけ不要なことがあり、それに時間を費やして行う人が多くいたことに他なりません。
つまり、危機に瀕するまで、いや、潰れるところまで、皆で自分の足を食い合っているのです。正社員が労働生産性をあげない努力を、正常でないことをずっとしているのです。なぜかというのは、ここまで述べてきました。(トラコの相棒の福多の財務省での働き方なども)
企業が潰れる直前の危機まで変わらない、
国も滅びる直前まで変われないのでしょうか。
企業ベースでみたら、日本の国は、もう潰れているのですが、、。
◯正社員の責任
正社員とは、いざとなったときに責任を持って動く人です。違いは、そのリスクヘッジにあるのです。その会社の責任者として、業務をどこまで担えるかが違うのです。
いざとなってすぐに切られるのはバイトやパートですが、逆に言うとすぐにやめることのできるのも、非正規雇用だからです。
どんな仕事でも目に見えないところでの負担や労力があり、そういうところを担って支えている人こそ、正社員なのです。
ですから日ごろの仕事が同じであっても、非正規雇用と扱いを同じにすればよいことにはならないと思うのです。ただし、背負っているのでなく、のっかかっているような人は、ここでいう正社員に含めません。
簡単に言えば、会社の鍵を持っている人、金庫の鍵を持っている人です。
使命感があり、本当の理念に基づいて動ける人です。労働生産性に見合って働く人で、会社になくてはならない人、やめられては困る人です。
それは、今の日本、どこでも、それほど多くは残ってはいないようにみえるのです。
政治家、官僚、特に財務省の役人には、どのくらい、そういう人は、いるのでしょう。