◯最低賃金と平均賃金
日本の最低賃金は、31円、3.3%のアップになり、全国加重平均で、時給961円です。これは過去最大の引き上げ率です。東京は、1072円です。
ただし、日本の平均賃金は、1990年から2020年の30年間で、4.4%上昇、アメリカは47.7%、イギリスは44.3%です。(経済協力開発機構OECD)
◯労働生産性のあがらない日本
日本の労働生産性の悪いのは、オンオフの切り替えが悪いと言うより、会社が生きる場だったからです。休日出勤、年中無休のような働き方が、理想であり、そういう人が出世したのです。
生きる場ですから、息抜きもレジャーも必要です。昼間、喫茶店に行って寝たりゲームをしたりして会社に戻ってから残業で仕事をする、そんな感じでした。
そういう人たちにとって、業務の効率化、時短、休日などの出勤カット、経費や交際費節減など、労働生産性の向上は、これまでの生活を脅かしかねないのです。残業代を見込んで住宅ローンをくんだりしていたからです。
◯既得権益と親ガチャ
つまらない仕事に耐えるのは、そういう特典が出世と共に増えていくからです。組織や上司への忠誠度を測るのにも使われました。ブルシット・ジョブ♯でもやめないのは、シット・ジョブ♯よりも肉体的には、楽だからです。しかし、メンタル的についていけない人が、若い人にも増えてきました。
昨日、引用したトラコのドラマそのものです。
上級国民だけでなく、上級公務員や上場企業では、普通のことでした。日本的霊性と武士道は、曲がりくねりながら、軍隊、体育会、学校、そして会社と引き継がれているのです。
この既得権益を手放せないのが、上級国民です。
安倍晋三氏を葬った山上容疑者を「下級国民の神」などと共感する人たちがでてきたようですが、それは安倍元首相が紛れもなく上級国民だからです。
もちろん、エリートと称される官僚、公務員なども、しっかり働いてもきたわけであり、それをリストラしたり、表に見えない特典を取り上げるのは、難しいことです。まして、今は一代で成り上がるのでなく、親や祖父から継承しているのです。まさに「親ガチャ」です。
♯シット・ジョブ 悪条件の仕事です。シットは、クソのような、ですね。
♯ブルシット・ジョブは、無意味な仕事です。