fukugen(福言):出会い気づき変わるためのヒント

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移民と変革 フラット化する日本

◯移民するエリート

必要な移民は、どの国でも高度な教育を受けたエリート、多様性のある人々です。単純労働者ばかりが増えると、労働市場で競合し、その地での摩擦が大きくなるからです。

ロシアは、今回の件で、多くの若い知的エリートを国外に去らせてしまいました。ナチスがすぐれたユダヤ人に逃げられたのと似ています。これは国力を落とすだけでなく競合国に利益をもたらすのです。

ただ、こうした理由ではないのに、ここ30年、人材と技術を流失させてきたのが日本です。日本の優秀な若手技術者は、海外や外資への就職を目指します。報酬が数倍違うのですから、当然でしょう。

また日本に憧れてきたアジアの技能実習生の扱いは、日本のイメージを損ねるばかりか、他の国を選ばせるようになりかねません。日本人のやりたくない労働に短期に振り向けるのは、人権問題になっています。現実的な対処、人手不足など対応しかねてなのはわかりますが、長期にみて国益を損ねています。日本人のもつ欧米崇拝、アジア蔑視の表れです。

 

◯変革者たち

クリエイティブな人というのは、移民、病弱、同性愛者などです。アーティストを見るとよくわかります。

アスリートもそういう傾向があると存じますが、性差が筋力差となり、そのまま能力差となることの多いスポーツ競技では、今後、より複雑でデリカシーな問題となるでしょう。

変革の時代、能力を発揮するのは、いわゆる、若者、ばか者、よそ者も、です。ふつう、まんなか、平均値、ではない人です。

 

◯移民と対立

エリートの移民はともかく、多様性については、いろいろと難しい問題を引き起こします。

2010年、メルケル首相は、「人々が隣同士で楽しく暮らすことを目指したドイツの多文化主義は完全に失敗した。移民はドイツに溶け込む必要があるし、ドイツ語を学ばなければならない。」と、キリスト教的な人道主義のつながりを求めました。

フランスも、ニカブという衣装を同じく2010年に、禁じました。顔を覆い尽くしてはいけないということです。しかし、国連はそれに対して、人権侵害と言う決定を下しました。

この頃は、特にEUイスラム教徒が流入したことでの宗教風習の違いでの問題でした。現地の伝統的価値観と新しいグローバルな価値観との相克というよりは、頑なに移民前の生活文化風習を維持しようという人との文化、宗教間での対立です。

その後も、難民移民の問題は大きくなるばかりです。

なにしろ、住む場所を追われた人は、2020年、8240万人、過去最高となっています。

 

◯伝統と革新

日本人は、日本人のなかで育ってきた人が大半なので、他人も自分と同じという考えが強いのです。実際に同じような環境で育つと、似通ってきますし、阿吽の呼吸で察して合わせています。そうでないと、仲間に入れず、よそ者扱いされます。

マイノリティに不寛容なのです。そこは国内でも移住してきた他の地域の人との共存に学ぶことが多いです。関西や九州から東京に来た人なども、生活文化や言語は違うのです。もちろん都市と地方は分けて考える必要もありそうです。日本人の性格と考えると、その根っこは京都人という高慢な田舎人に思いあたります。

 

日本人は、他人にも外国人にもとても親切です。おもてなしは、定評がありますが、それは、おもてなししたい関係だからです。むしろ、よそ者と割り切ったところだからこそ、対人コミュニケーションがうまくとれていると思います。旅人には、とてもフレンドリーです。

 

この点は、若い世代に見習うべきこと存じます。年配者にありがちな年月や出身地、内外での区別、ある意味での差別、偏見、固定観念が本当にないからです。人種や性的マイノリティについても素晴らしく平等です。アジアへの偏見も少ない。

経済、産業だけでなく、人間も濃厚で深い時代では、なくなりました。何事も深く掘り下げず、そうした人物に接することもなく育つと、おのずとフラットになるのでしょうか。

歴史を知らず、伝統的価値観や慣習に縛られることもないために、そういうことであるのは、よいと思えないところもあります。子どもであるために世界中の人とすぐ仲良くできるのは、子どもであるために崩れ始めたら止められない、、、などということも。

でも、いい歳して21世紀にもなって、まだ戦争などをやっている大人には、そんなこと言う資格もないのですがね。

 

あ〜あ、また、ごちゃごちゃ、で、まとめられなかった!