◯機能と目的
機能は、ある目的に対して、どれだけ役立つ働きができるかです。
話し声の機能で例えると、声量や声域、声の長さ、発音の明瞭度、アクセントの正しさなどです。これは、人間性や度量などとは関係ないわけです。ですから、わかりやすい能力といえます。
そこで、世の中、機能という能力で評価するようになってきたわけです。
これは、ビジネス社会で、うまくやっていくための能力ともいえます。つまり、数値化しやすく評価しやすいので、学習しやすく使いやすいのです。
どちらかというと、欧米の社会で重視される価値観です。科学の力が使いやすい分野でもあるからです。
(人の場合、それを技能と呼ぶこともあります。技能とは、どんな技術をどれだけ使える能力として持っているかということです。私は、機能よりはやや深い基礎の能力にあたるように使い分けてきました。)
それに対して、機能ではないもの、たとえば、その人の声の音色、声から伝わる感じ、性格、人格などはわかりにくいでしょう。機能的ではありませんが、重要なものです。
そういったものから外れたものだったのに、基準が示され、据えられたのが、SDGs♯かもしません。最初に聞いたとき、このGsが、GOALsというのになんとも違和感を抱いていたのに、よくぞここまで広まりました。
環境は、なかなか数値化しにいものですが、なんとかモデル化して目標を示されています。それでようやく努力目標できたのです。
◯モデル学習の限界
目標モデルをつくると、何でも100点からの減点法で評価するようになってきます。つまり、足りない分を見つけて、補おうとするのです。
これで誰にでも、効率よく、あるところまでの力はつけられます。
しかし、絶えず、比べ、長所より短所に目を向け続けてしまいがちになります。
他人に対しても、否定的な面から見てしまいかねません。先生がその価値観で教えると、そういうことが学ぶことと思って、疑わなくなるのです。勝ち組負け組などは、昔はなかった言葉ですが、そういうものに縛られてしまうこともあるのです。
自分ではそうは思わないのにまわりの意見に屈してしまう同調圧力が、ここまではびこるのは、こうした教育が一因になっていると思われます。
◯チェック
何事も両面あります。最初にわからないことも後々出てきます。
決められたことには、裏があり、おかしなことも隠されていることもたくさんあるということです。それが国や企業間の競争や面子で動いていることが多いということです。
環境などはやりようによって逆効果になることも多い分野です。ともあれ、対策後からスタート、そこからのチェックこそが大切なのに、対策が決まったことで安心してしまうのが、この国です。安心するくらいなら却って害になりかねないのです。
その対策の実施、そして持続が、環境に本当によいのか、絶えず検証が必要です。
割り箸、レジ袋からのマイ箸、マイバック、EVカー、太陽光発電、原発まで、疑問だらけですが、こまかな対策は進んできたようです。でも、どうみても過剰なサービスでの無駄が多すぎます。節電を求められたときくらいの生活レベルに戻すことでしょう。光熱費の値上がりで制限されていくのは好ましくありません。
矛盾するものとしては、電池など省エネの製品を作るまでのCO2排出やリサイクル費用など、多々あります。
特にアメリカやEUが決めたり改定してくるルールの場合、経済競争がほぼ絡んでいます。
しかし、日本はモデルを打ち出したり、ルールを発案し提案するようなことをしてこなかったのです。
よいものでも受け入れつつチェックを怠ってはならないのですが、本当は決める以前のところから関わっていないと本当のところはわからないものです。
なんでも目的やモデルだけを近視眼的にみて頑張る国民性なので、気をつけましょう。
♯「持続可能な開発目標 (SDGs) 実施指針」
優先課題として、2030アジェンダが掲げる5つのPである、People(人間)、Planet(地球)、Prosperity(繁栄)、Peace(平和)、Partnership(パートナーシップ)に対応した8項目が示している。2019年12月の第8回推進本部会合で、2020年のSDGs推進のための具体的対策法を取りまとめた「SDGsアクションプラン2020」を決定した。
People(人間)
1. あらゆる人々の活躍の推進
関連する目標:1(貧困)、4(教育) 、5(ジェンダー)、8(経済成長と雇用)、10(格差) 、12(持続可能な生産と消費)
2. 健康・長寿の達成
関連する目標:3(保健)等
Prosperity(繁栄)
3. 成長市場の創出、地域活性化、科学技術革新
4. 持続可能で強靱な国土と質の高いインフラの整備
関連する目標:2(食料)、6(水と衛生)、9(インフラ、産業化、技術革新)、11(持続可能な都市、人間居住)
Planet(地球)
5. 省・再生可能エネルギー、気候変動対策、循環型社会
関連する目標:7(エネルギー)、12(持続可能な生産と消費)、13(気候変動)
関連する目標:2(食料)、3(保健)、14(海洋)、15(生物多様性)
Peace(平和)
7. 平和と安全・安心社会の実現
関連する目標:16(平和)
Partnership(パートナーシップ)
8. SDGs実施推進の体制と手段
関連する目標:17(実施手段)
外務省など日本政府は、2017年7月に開かれた国連の持続可能な開発目標に関するハイレベル政治フォーラムに合わせ、「PPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)」の替え歌などピコ太郎のパフォーマンスでSDGsの普及と啓発を図っている。
◯SDGs未来都市
2018年6月15日に、地方創世分野における日本の「SDGsモデル」を構築していくため、自治体によるSDGsの達成に向けた優れた取り組みを提案する29都市を「SDGs未来都市」として選定した。
飯豊町(山形県西置賜郡)宇部市(山口県)壱岐市(長崎県)小国町(熊本県阿蘇郡)岡山市(岡山県)鎌倉市(神奈川県)神奈川県 上勝町(徳島県勝浦郡)北九州市(福岡県)堺市(大阪府)静岡市(静岡県)札幌市(北海道)志摩市(三重県)下川町(北海道天塩上川郡)珠洲市(石川県)仙北市(秋田県)つくば市(茨城県)十津川村(奈良県吉野郡)富山市(富山県)豊田市(愛知県)長野県 ニセコ町(北海道虻田郡)浜松市(静岡県)白山市(石川県)東松島市(宮城県)広島県 北海道 真庭市(岡山県)横浜市(神奈川県)
SDGs未来都市のうち、先導的な取組を自治体SDGsモデル事業として選定している。自治体SDGsモデル事業は、以下の3点を満たすものである。
経済・社会・環境の三側面の統合的取組による相乗効果の創出
自律的好循環の構築
多様なステークホルダーとの連携
壱岐市(長崎県)小国町(熊本県阿蘇郡)神奈川県 鎌倉市(神奈川県)北九州市(福岡県)下川町(北海道天塩上川郡)富山市(富山県)ニセコ (Wikipedia抜粋)