◯神童と僧
神童と言われる人がいます。人生の経験も大してないのに、人に深い感動を与える人です。アスリートにもいますが、音楽家となると、その演奏の純粋で純度の高さは、天性、天然としか思えないのです。
同じように、私が不思議に思ったのは、山奥の寺で、孤独に修行している人です。これもまた、他の人との間での経験というのなら、世間に揉まれている人より不足しているに違いありません。なのに、深い真理を会得していたりするのです。なかには出家するまでに、すごい体験をした人もいるとは思いますが。
人間の中で練られていくものは、人間の理解に役立つのでしょうが、もっと、その基本となることで、ハイレベルに応用できることは、自然界にあるというように考えたらよいのでしょうか。
◯音楽
私が音楽に惹かれたのは、流れの中で意味を生じるからです。言語を断つことによって意味づけられるのです。しかも空間での物理的振動の連続で、時間で意味づけていくのです。
ですから、楽譜を逆から、演奏しても音楽には、なりません。時間を逆行するからです。
◯音と世界の構成要素
世界の構成要素、元素といわれてきたものには、いろいろとあります。地、水、火、風、空、識とか、アストラル、エーテル、チャクラ、または、木、土、金、でも、音は、そこに入らなかったのです。
現在では、物質は分子から、分子は原子から、原子は原子核と電子。原子核は陽子と中性子。陽子と中性子は、クォークから構成されます。クォークと電子を細分化する要素はまだ知られていません。
◯命の息
管楽器に、息を吹きこむと、音が聞こえてきます。音は、息の命から生まれます。
息に耳をすますとよいと思います。私はアーティストの息を聞きはじめてから、オーケストラもダンスも息を聴くようになりました。
世界を大きな1つの命として捉えられると、人間同士、結びつけられると思うのです。