〇話や本で得たことを役立たせているか
セミナーなどで、よい話を聞いても、9割の人は実践に移しません。実践した人も、そのまた9割の人は続けなくなるのです。
本を読んでも9割は、忘れます。かきとめても、その9割は、忘れてしまいます。
まあ、私の場合ですが、、、。
もう一度、読む本などというのは、ほとんどないでしょう。内容をノートに書きとめろこともない人がほとんどでしょう。
となると100人に1人しか、そうしたことを実際には役立てられてはいないのです。
うまく役立てられない原因の一つは、身近に使う目的と期限がないからです。
〇読書の勉強会
ですから、そこに読書会をセットしてみるとよいでしょう。
テーマに関する本などをそれまでに読むことにするのです。
得たことをまとめて、発表すると、自ずとよい学び方になります。
発表するとなると、まとめたり読み返したり、さらに参考となるものを読んだり調べたりすることもあるでしょう。関心のフックが、増えます。
つまり、2時間で読んだ本でも、2時間の勉強会で復習することによって、100冊の本を読んだ以上の効果になるかもしれないのです。
〇読書会の方法
メンバーとしては、1グループで5〜10人ぐらいがよいです。2、3人、ほとんど話さない人、話せない人がいても成りたつようにします。予習できなくても聞くだけの参加もあり、それなら、柔軟に対応でき、続けやすくなります。
まめな進行役がいるとスムーズになるでしょう。
初めての人には、参加した理由や興味のあることなどを添えて自己紹介してもらいます。
後はテーマとした箇所を話してもらいます。そして、皆で掘り下げていくのです。
本を読んで、どういうことが書いてあったのか、それに対して自分がどう考えたのかを説明します。つまり、考えを言語化するための訓練です。
〇テーマとルール
自分の好きな本のオススメもよいのですが、なかなかオススメにのれる人は少ないと思います。それなら皆、同じ本で、ある程度テーマを絞り込んだ方がよいでしょう。
他人の意見を否定しないのが、ルールです。頭ごなしに否定されると、発言しにくくなってしまうからです。
参考までに
2008年「ジェイン・オースティンの読書会」
2016年「プリズン・ブック・クラブ―コリンズ・ベイ米刑務所読書会の1年」
は、映画で観ることができます。
〇古典や名作との対話
毎日の生活の繰り返しから、何かしら足らないもの、何かしら余るものがありましたら、それを本や映画で探ってみるとよいでしょう。
多くの古典や名作と呼ばれるものが、なぜ多くの人の心をとらえ、残され、読みつがれているのでしょうか。それは、読んだ人が接点を持たざるを得ないものが描かれているからだといえます。
〇あいまいさに耐える
人には、それぞれいろんな生活があり、いろんな事柄が起きます。それをどう見るかに正解はありません。人間が人間たるゆえんは、いろんな捉え方があり、複雑さがあるからです。そのあいまいさのなかで生きていくのです。それに耐えられる気力、体力が要ります。
◯忍耐と快楽
名作や古典を読むのは、忍耐を必要とします。わかりやすく教えてくれるのではなく、わかりにくいところを自分で読み解き、ときには自分独自の考えによって整理しなければいけないからです。
それは、苦悶であるのと同時に、快楽です。
自分なりの考えが出てくるというのは、自分の存在を感じられるときだからです。
このネット社会の中では、広く情報を得ていると思わされ、偏った情報を深く掘り下げることだけにとらわれてしまっていることにも気づかなくなります。
特に、これまで自分では関心を持たなかったことに、他の人の興味を通じて、強制的に関心がいくことは、とても良いことです。
人とのつながりは、相手だけでなく、相手の関心にどれだけ関心が行くことかとも思うからです。