fukugen(福言):出会い気づき変わるためのヒント

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読書と人生 捨てることと捨てないこと

メトロポリタン美術館展とボストン美術館の刀剣&歌舞伎、を見てきました。共にアメリカの1870年代から150年ほど、よくある王室、大富豪からのコレクションではなく、民間が運営をしてきたところですね。

 

さて先日、ミニマリストについて述べましたが、こういう本が出ていました。ミニマリストを否定しているわけではなく、大切なものを大切にしていこうという主旨です。

 

◯捨てない生き方

「捨てない生きかた」 (マガジンハウス新書) 2022/1/27  五木寛之  著

“捨てる身軽さ"よりも“捨てない豊かさ"をー

 ジョルジオ・アルマーニのインタビューから「あらゆるもののスピードを落として、配置転換する機会になると思う」を引いて、

移り変わる流行に翻弄されないものをつくる必要がある。いつも着ていて長持ちするものをつくること、それが持続可能な道なのだ──と。

 大量に衣服を買い込んで短期間だけ着て捨ててしまう時代ではない、という意見で

「捨てない生きかた」

手に入れるのに苦労したとしても、たやすく手に入ったとしても、いまそこにあるモノには、手に入れたときの感情と風景、そして数年、数十年とともに時を過ごしてきた〈記憶〉が宿っています。

モノをどうしても捨てられない気持ち、そして、モノを捨てない生きかたということには、素敵な道理がちゃんとあるということを知っておいていただきたいのです。

(ここまで「まえがき」をダイジェスト)

 

著者の「捨てない生活」は、仏教の「捨てる思想/捨てない思想」「この国が捨ててきたもの」に言及していきます。

主な項目としては、

  • シンプルライフにひそむ「空虚さ」
  • モノは「記憶」を呼び覚ます装置である
  • 「ガラクタ」は孤独な私たちの友
  • 過去を振り返ってこそ、文明は成熟する etc.

 同じ著者の書で、背信の思想」では、

  • 断捨離なんてとても無理
  • デジタルよりもモノは語る
  • 仕事は日々の雑事の積み重ね
  • 混迷を生き抜く反時代的思考法

をあげています。

 なんとなく私も似たことを言ってきたようで、

誇らしいような、でも上の世代の考え方に染まってもいるのかなあ、と思った次第です。

 

 

 〇読書について

私は、ブランドや高級品といわれるモノや衣類には、興味はあれども執着がありません。車も時計も動けばよいとなってきました。モノといえば、本、これは、居住スペースの半分くらいを占有しています。

読まずにおいてある多くの本を見ると、多分、読まないままに終わってしまうのではないかと思います。

齢を重ねると限界もわかってきます。

もう一度読みたいと思った本でも、2度、3度と読むことは少なくなりました。

何よりも、チエックがネットで済むことが多くなったからです。本棚に辞書、辞典、事典、年表、地図などレファレンスの類いがいらなくなりました。

 

本を書くため、他の人のために集めたもの、自分には必要がないけど、自分に関係する人に必要と思ったり、あるいはパブリシティ面で参考になるものとして、集めたものは、半分は処分しました。

自分の勉強にもなりましたが、本当に自分の読みたい本とは違うのです。コンピュータの使い方、法律や経営、会計、コンピュータや旅行ガイド、歴史書などの類も、です。残りも早くリサイクルに回して、他の人のお役にたつようにしたほうがいいと思いつつ、、。

 

このところ、ビジネス書や自己啓発書を買うことがなくなりました。

コピーライト的なセンスアップのための本ですから、表紙をみれば済みます。

 

ともかくも、人間と同じように、本についても、一期一会となりつつあります。

なかなか精読できなかったからこそ、良書を精読をしたいと思うのです。

読書についても、人についても、そのように思います。

 

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