「ネットの功罪」
ネットのおかげで、自分のまわりだけでなく相手の状況が手にとるようにみえるようになりつつあります。
ネット社会は、多次元化、多様化を促進している一方で、まったく逆の動きにも使われています。いつの時代も変わらず、人間の怖いところです。
「ネットの多様性と偏向化」
多様性となると、これまでは、共感できないことにも共感する人が出てくるし、認められるようになるかもしれません。それは、必ずしも良いことだけではなく、犯罪や戦争などのリスク要因にもなります。
「SNSとカルト化」
世界中の情報が得られ、かつてなく広く世の中の状況や人々の考えがわかるはずのネットが、逆に、自分の好む情報だけを選んで、そればかりに接していくために、目隠しをしてしまうようになっています。
これまでのマスメディア以上に偏狭な世界に人を閉じ込め、そのことに気づかなくさせるのです。SNSは、情報を自分たちのなかだけで完結させるのに最大の効果を果たします。つまり、カリスマの組織化に最大の威力発揮するわけです。それがカルト化する危険性も大きいということです。つまり、外に開かれず内にこもりたがる人が集まるとなおさらです。
ネットは時間を早め、空間を狭め、いわゆる変化の幅を大きくするわけです。それをコントロールできるかどうかは、人間の知恵にかかっています。
ネットの電脳社会を離れて生活する人も出てくるでしょう。あるいは、それを選ばなくても何かで全てが崩壊し、以前の電気のない生活を余儀されるかもしれません。少なくとも私たちは、それを何度か体験してきたのですから。この両方を行き来するような生活が理想かもしれません。