府中市美術館で、動物の絵 日本とヨーロッパ ふしぎ・かわいい・へそまがり 開館20周年記念展示。著名な画家の作品がたくさんあります。日本人では、円山応挙、藤田嗣治、谷文晁、若冲、北斎まで、世界では、ピカソ、シャガール、マリーローランサン、モロー、ルドン、。徳川家光の部屋もあります。家光のへたうま作品がこんなに大人気とは、、。
https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/tenrankai/kikakutenkaisai/2021_3_doubutu.html
絵画から、動物を昔の人たちはどのように見ていたのかがわかります。釈迦の涅槃図などは、たくさんの動物に囲まれています。日本の場合、そういう絵にも動物の種類がとても多いそうです。
日本人は、動物との間に境界なく、人の心と同じように動物にも心があるように捉えていました。動物が人間になる物語もあります。
西洋では、人間が動物になっても、その逆がないのは、キリスト教の教えの影響でしょう。西洋では、楽園に憧れ、それを再現しようと、世界中の珍しい動物を集めたり、作り出したりしました。西洋人にとって自然や動物は支配するものなので、象徴として、聖書などの物語の中などで扱われました。ロバ、猿など動物は、愚かなもの、狡猾で醜いものとして、風刺、皮肉に使われたのです。犬は忠実なことで、貞節の象徴らしいですが、その犬が眠っていることで気の多い女性を表す、など、、私たちには読み取れるものではありませんね。
ダーウィンの進化論が出ると、そうした人間中心の世界観が揺らいでいくことになります。ゴーギャンなど、理性に対する野生を描く画家も出てきます。以上は展示解説のまとめです。
美学とは、感性を言語化していく学問です。esthetics=エステティクスですから、語源は、エステと同じです。五感を使うことではなく、五感で得られるものでの快感です。
私たち人間はどんどん頭でっかちになり、主に視覚と手だけを使うようになってきました。ですから、五感をフルに使うところでは、動物たちが私たちの先生ともいえます。二本足歩行で腰痛その他諸々、悩まされるようになり、スマホを使って、不定愁訴、メンタル不調に苦しむようになったのですから、脱するには、彼らに戻って心身を整えることです。過去や明日に悩まずマインドフルネスできている動物に学ぶことは大きいのです。アニマルセラピーとして、動物と接するのもよいでしょう。日本人のかわいいの感性は、こうして養われたんですね。
かつて、私は、文学と音楽を志し、哲学科で美学を学びました。梅原猛さんの「哲学する心」が、きっかけでした。おでこは、脳に近く、センサーとして働きます。第三の眼が、そこにあるのです。それを活かすためにも、五感を全開にすることが大切です。
「耳で見て、目で聞き、鼻でものくうて、口で嗅がねば、神はわからず」(王任三郎)