「ハヤブサ消防団」#の最終話では、主人公の作家(中村倫也さん)が教団の新しい聖母になろうとしている女性、彩(川口春奈さん)のマインドコントロールを外します。
「ユートピアなど、この世の中にない」と言う、まっとうな人間と、それを求める教団組織との戦いを描いたものです。
弱い者を救い、理想の共同生活を求める動きが、権力となり、犯罪まで起こして組織を守っていく、組織がなくなると人々を救えなくなるから、情報を隠蔽もする、
それをどうみるのかは、永遠の課題なのでしょう。
保守と革新との争いは、どこにでも見られることです。この場合は、教団側が、変革者になります。
以前の漁業組合のドラマも、共通するところがたくさんありました、「ファーストペンギン」でしたか。こちらは、革新側のストーリーです。
このクールで終わった「VIVANT」や「トリリオンゲーム」も、構造は、似ています。
最後は、相手の罪を隠蔽し、妥協点を探っての解決です。世に公になると都合の悪いこと、それを交渉材料にした、ある意味では、恐喝まがいの交渉での、勝利です。
かつては、正義側は最後にその約束を反故にして、悪事がばれるというエンディングが多かったのですが、この頃は、約束は守る、悪の方の立場も配慮する、身を引かせるという終わり方です。いわゆる司法取引みたいですね。欧米化?
◯保守と革新
大人や年配者、既成の組織は、古いから、保守、既得権益を守る側で、
若者、アウトロー、移民などは、革新、既存権益をぶっ壊す側です。
これは、右翼と左翼でもあったのですが、今は当てはまらないようです。
なんとなく、今は、女性にきつくあたるということで、右翼というふうに見られるようです。
日本の戦前までの国体は、万世一系の天皇を押し戴く君臣相睦み合う家族国家体制でしたが、その後、ニューファミリー、核家族化で、家制度は解体していくのですね。
そういえば、病院を扱った「ヒポクラテスの誓い」#も、最後は、罪を認めてしまいますが、途中までは、保守側の保身との戦いです。
おすすめドラマ z世代向き 「フリーター家を買う」再放送、9/13 フジテレビ13:50〜
<テレビ朝日系、最終9話9/14 池井戸潤の同名小説(集英社)が原作。亡き父の故郷、山間の小さな集落「ハヤブサ地区」に移住した作家の三馬太郎(中村倫也)が、地元消防団に加入、連続放火騒動や住民の不審死など怪事件、巨大な陰謀に巻き込まれていく。
最終話では、謎の女性、映子(村岡希美)が、聖母アビゲイル教団の“聖母”だった展子(小林涼子)の幼なじみと判明。太郎は、映子と、展子の義理の兄だった江西住職(麿赤兒)から、展子の生涯を聞き、小説にする。太郎は、それで、新聖母になろうとしている彩(川口春奈)に教団の非道を訴える。彩は、改心し、儀式に集まる信者たちに、町内放送で真相である真鍋(古川雄大)の殺人容疑、教団トップ杉森(浜田信也)の暗躍を伝える。>
#「ヒポクラテスの誓い」
<2009年に「さよならドビュッシー」で「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し作家デビューした、中山七里の法医学ミステリー「ヒポクラテスの誓い」をドラマ化。主演は、北川景子。法医学を学んでいく中で、生死に関わる人々の葛藤や苦悩に、成長していく研修医。法医学教授を柴田恭兵、熱血刑事を尾上松也、内科教授に古谷一行。脚本は、NHK連続テレビ小説「まれ」やドラマ「いま、会いにゆきます」などの篠崎絵里子。>