fukugen(福言):出会い気づき変わるためのヒント

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改革の手法としての「最高の教師、、8話」

続けます。

 

8話は、相楽という金持ちのボンボン、クラスを支配して、いじめを蔓延させてきた生徒の改心と懺悔の回です。

多くの世襲議員のように、自分を特別と思わされ、思い、そのように振る舞ってきたが、

そこに最底辺の扱いしてきた鵜久森という生徒が、九条先生に感化され、反撃していく、クラスを巻き込んで、文化祭への妨害も乗り越えてきた、

そこで相楽は、自分が人間として最低の奴だった、と気づくのですが、弱さを出せず、突っぱねることから抜け出せない。で、九条先生が、その機会を与えるのです。

 

変わることが必要と、自分もまわりをも変えることを強要していく、そこが、人間としての成長のように、このドラマの肝になるのですが、展開が早すぎる嫌いはあります。

宗教の改心、ある種の洗脳の解除のように、九条先生は、カリスマ性を抑えつつ、性善説に基づくかのように、覚悟を持って、まわりの人を一人ずつ感化していきます。

笑顔もなく淡々と、その説得の論理は、鮮やかで、隙を与えません。

現実の状況に流されて、いい加減に対応してきたことに、鋭いメスを入れるのです。誰もが抱える、やましさ、後ろめたさに蓋をしてきた気持ちを開くのです。

 

次々と短期に人間の気持ちや行動を変えていく手法は、恐ろしいほどで、歴史的にみるなら、改革者や救世主として崇められ、やがて殺されるパターンです。

しかし、これは、九条先生が、何も対応せずに殺された前世から、全てのことをやると覚悟を決めたところから、二周目の人生として、始まったドラマでした。

 

 

一人と一人の出会いから、集団となり、秩序が生まれ、いろんな軋轢や問題が生じてくる、このクラスと同じことが、家庭でも近所でも職場でも親戚関係でも、あらゆるコミュニティで起きていることです。国内も国際関係も同じです。歴史は、それを記録し続けています。

よりよく変えようとして、常に誰かが動いている、にも関わらず、その後、より悪くなっていくことが多いから、地上から問題も争いも絶えることがないのです。

九条先生は、力でなく、話し合うこと、つまり、徹底して、民主主義で対応していくわけです。一人ひとり、説得していきます。そして、金と力で支配してきた相楽の行動まで変えるのです。

 

考えるまでもなく、民主主義も社会主義も皆、不理尽な独裁への反抗から生まれてきたものでした。

宗教者と違い、九条先生は、謝ろうが何をしようが、許すことはないのです。にこやかに受け入れることもありません。

向き合うことと考え続けることを強いていくのです。

 

現実は、状況を変えるには、とても勇気がいるのです。

しかし、死という覚悟を持てば、なせること、

そして、死は誰にでも訪れるのですから、その自覚があれば、誰もが変われるのでしょう。

 

覚悟と勇気、、、、。

 

 

#今回の主な出演者

鵜久森(芦田愛菜さん)の母・美雪(吉田羊さん) 

相楽(加藤清史郎さん)、浜岡(青木柚さん)

 

 

fukugen.hateblo.jp

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