日本人の聖域
<ヤクルト村上宗隆内野手(22)が、日本選手最多、王貞治氏が持つシーズン55号に並んだ。9回2死1、2塁、巨人の大勢から左翼席へ。9/13神宮>
55本塁打は、64年王(巨人)01年ローズ(近鉄)02年カブレラ(西武)。
2013年バレンティン(ヤクルト)60本。
これらの記録を見て、今の若い人も、王選手の記録を抜くことが、その時代、タブーになっていたことに気づくでしょう。相撲界で大鵬の記録と同じく、追いついたり追い抜かしてはいけないと聖域であったわけです。まして、外国人が、なんて、ことで、、。
それが、ようやく崩れたのが、49年後のヤクルトのバレンティンです。
1985年、優勝した吉田義男阪神、バースのときは、最後の2戦が巨人戦で、ほとんど敬遠で勝負させてもらえませんでした。相手は王監督の巨人で、江川、橋本、斎藤がピッチャーでした。
王監督自身が敬遠を指示したのでなく、コーチや投手もバッターも、同調圧力とか忖度とか、多分、王監督自身が、真っ向勝負しろと指示できないほど、その空気が支配していたのでしょう。そして、野球ファンも国民もマスメディアも、同じだったのです。
今回、その巨人戦で勝負して記録したので、よかったですね。
まぁ、どこの国でも、あることだと思いますが、思い出したので付記しておきます。
あっ、今、34ホーマーの大谷翔平選手ですが、入団時より、体重は15kgほど増えたそうです。195cmで100kg超は、やはり大きいですね。
◯伝統と保守☆
伝統というものは、時代に合わせて変わっていくものです。
いろんなものに影響を受けます。
人々が続けていく以上、いろいろと変わっていくのはやむを得ないことだと思います。
一方、日本では、古いものを古いままに残すという感覚が強いのかもしれません。
海外から入ってきたものは、特にその傾向が強いですね。
オリジナルでない地域の方が保守的になるのは、わかるような気がします。
昔をそのままに残そうとした時点で、次代には、終わってしまったり、なくなってしまうことがあるのです。そこには、注意しなくてはなりません。
◯日本人的なもの
どこまで日本人なのかは、どこまで古い日本人なのかというような見方になります。
ということでは、演歌しか歌わないようなおじさんを見るとわかりやすいです。
でも、邦楽からみると、いえ、伝統音楽からみると、演歌や歌謡曲は、和洋折衷の新しいものなのです。
最近、邦楽というと、日本のポップス全般を指すことがあるので、ややこしいですね。
外国人には、日本人の三本締めとか一本締めという間は、とても取りにくいそうです。
私たちはそれを習わなくてもできます。
若い人には、そうでない人も出てきていると思いますが。
◯異質なものからの回帰
人は、自分が親しめるものよりも、全く違うものを求める場合もあると思います。
付き合う相手もそうでしょう。
マイケルジャクソンの振付や黒人のラップなどがかっこいいと思って真似しても、なかなかスタイリッシュにまでは、ならないものです。
昭和の高度成長期の頃は、「日本はださい、欧米がかっこいい」と、皆、思っていたのです。
その価値観が、改まってはきたのはよいことだと思います。