fukugen(福言):出会い気づき変わるためのヒント

表現、創作、スピーチ、雑談のネタの欲しい人、今の自分と社会・世界を結びつけたい人、考えを深めたい人に

守りとまとも 2015/04/29

 日本人に欲がなくなってきていることは、述べてきたつもりです。大前研一氏が「低欲望社会」と唱えていて、これは、「一億総白痴化」(大宅壮一氏)、「知価社会」(堺屋太一氏)などについで、トレンドを表すことばと思います。ざっくり切っていますが、ゼロ欲望とか、守りの社会といってよいのでは、と思います。あるいは、共産化、絶対主義、独裁…。なるほどスローガンなどは、定義、解釈で何とでもなるのです。
 守られてきたために、守りの下手な国が守りしか考えなくなったときの危機を最近は述べることが多くなりました。女性化、もしくは中性化といって父権、男性原理の失せていくのは、かつては、経済、文化の反映の後に、戦さに敗れ、滅びる民族の前兆でした。そこまで構造化して示すのは、目的ではありません。思想や教育とは、恐ろしいものだと思います。
 女性がどちらかというと敵視する意見をもつ女性たちは、残っていらっしゃいます。そのうち、守ることは他国の戦いに参加して忠僕となることと思っている、今の政権に寄り添っている女性らを除くと、至極まともなことを言っているのに、この一世代、約30年から50年をみていると、男性までが、それはおかしいと言いつつあります。
 まともに述べてもおかしいと思われるだけなのですが、それは個人の自由と考え方の違いだと言われると、その前提から論じなくてはならなくなります。そのこと自体がまともでないこと、おかしいことに少しでも気づくと、まともに変わろうと思ってくれる人もいるから、述べていこうと思います。今さらこの流れを変えようとは思わないし、時代には逆行できないので、少しでも遅らせられたら嬉しいと思うのです。
 私のように、まともでない人には、自分なりのまともなことが、あまりに行われない世の中というのは生きづらいし、不快すぎるからなのです。それはきっと、まともでない世をまっとうに生きるためのヒントにもなると思うからです。