ニュースで、木曽路という店では、店長でなく料理長らが、牛肉産地偽装をしたということが報じられていました。コストパフォーマンスを料理長への評価基準に入れたため、やむなく…とか。本当は、仕入れ原価を落としたい、安くも出したいマネジメント側と、味を守りたい、よりよいものを出したい料理長の対立のなかで、マネジメントも料理そのものも磨かれていくのが理想と思うのですが…。そうなると、そこで労働時間が長くなる、給与が安くなるとなりがちで、従業員の満足度が下がるわけです。三方によかれとありたいものの、どこも競争していますから大変です。 そもそも産地ブランド名より、味そのもので問うべきという本質論はどこにいったのでようか。料理長なら無名の肉だがブランド肉よりおいしくしたから同じ値段と主張できないのか、それをわかる客だけで商売できないのかということですが、できなかったわけです。日本人のブランド信仰か、絶対によいという味覚に高くとも支払うという客の存在が捉えられなくなったか、そういう客もいなくなってきたのか…。