○Smile scan
「スマイルスキャン」などと使ったり売れたり、考え出したり実際につくったりするのは日本だけだろうと思うのです。その点は、カラオケやその採点機と全く同じ切り口で日本の文化なのです。私たちはスマイル、笑顔や笑うことさえ大人になって勉強しなくてはいけなくなったということでしょう。大きな声を出す機会など、ますますなくなってきました。ここをうまく利用してください。
○塔和子という詩人
「胸の泉に」という詩があります。「かかわらなければ…」で有名な塔さんの代表作です。人と関わると、それゆえに、幸も不幸も起きる。積み重ねて、思い削り、思いふくらませ、生をつづる。何億の人がいても、関わらなければ誰も存在しない、それゆえ自分も、というような、これは、この詩の半分は要約で半分は私の意訳です。不幸も身を削ることも引き受けることにならざるをえない。だからこそ、人と関わるには勇気も覚悟もいる。関心をもつこと、関わっていくことは大変だけれど、それが生きるということなのだということです。
やがて、枯葉のシーズンですが、かかわらなければ…自分の胸の泉に枯葉一枚も落としてくれないと。人には枯葉一枚でもいとしい時があるのだと思うのです。
