fukugen(福言):出会い気づき変わるためのヒント

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音楽のフィギュア 「題名のない音楽会」

◯「題名のない音楽会#〜フィギュアスケートの見方が変わる音楽会」

音楽や歌のイメージを伝えるのに、指揮者のように、手の動きを使うことがよくあります。ホワイトボードに線で描いたり、楽譜の音符をつなげたり、視覚化して、わかりやすくするわけです。

 

毎年、楽しく見ているのが、この番組で、今年、第6回を迎えるシリーズ「フィギュアスケートと音楽」です。 今回は、北京での12/7〜10の「フィギュアスケート・GPファイナル」#に合わせての特集でした。

 

私の記憶に残る浅田、荒川、羽生選手らの名演技に、そのときの音楽を新たに演奏して、実際にリンクを滑ったトレースとともに再現してくれました。

 

昔は、よくスケートリンクの壁にぶつからないものだと思っていました。

氷上に流れるような線の図形、これがフィギュアの由来ですが、そこに振り付けるのですから、

フィギュアスケートは、まさに肉体芸術、舞踏そのものなのです。

今、見ても、彼らの演技は、圧倒される音楽性と創造性を併せもっていました。

選手は、音楽的イマジネーションに個性的な領域にまで高めた技術を統合して表現する、まさにダンサーなのです。

これは、フィギュアスケートの見方が変わるということだけでなく、

曲とその演奏の聞き方も、また変わるのです。

そういえば、荒川さんの演技で、「トゥーランドット」を知った人が、どれだけいたことでしたか。

 

 

# テレビ朝日題名のない音楽会』12/9

<今回のゲストは、スケート競技解説者の町田樹さん#と、ヴァイオリニストの辻彩奈さん、ピアニストの小井土文哉さん。

4人の選手のスケーティングの映像に合わせての演奏。

 

浅田真央さんのショパンノクターン》Op.9-2(2013年12月グランプリファイナル/ショートプログラム

羽生結弦さんのブラシオ《Otoñal (Autumnal 秋によせて)》(2019年グランプリシリーズ・カナダ大会/ショートプログラム

に、小井土さんのピアノ演奏。

 

荒川静香さんのプッチーニトゥーランドット》(2006年トリノ五輪フリースケーティング

に、辻さんのヴァイオリンとオーケストラの演奏。

 

町田樹さんのホールドリッジ『エデンの東』(2013年グランプリシリーズ・アメリカ大会/ショートプログラム

に、オーケストラの演奏、ご本人の解説>

 


#音楽のフィギュア

フィギュアスケート#のフィギュアは、人形でなく、図形という意味のfigureです。

フィギュアスケートが「氷の上に図形を描く」競技だったことに由来します。スケート靴で滑ったトレースで、図形を氷上に正しく描けるかの競技「コンパルソリー」という種目があり、オリンピックや世界選手権でも、音楽に合わせて踊るフリースケーティングと両方で競われていましたが、1990年代、競技種目から消えました。

アメリカのバレエ教師であったジャクソン・ヘインズは、バレエの仕事のためにヨーロッパでスケートで図形を描いている人を見て、「氷上でバレエを踊ってみたら」と思いついたそうです。

 

#フィギュアスケート

<先史時代には北欧で動物の骨をブレードにしたスケート靴が用いられていた。それが南下してオランダに伝わり、運河の発達により多くの国民が行うようになったが、貴族には、競技性よりも優雅さやマナーを重んじた芸術的スケートが好まれた。

彼らの滑走様式は、オランダ人の弧線滑走という意味の「ダッチロール」と呼ばれるようになり、フィギュアスケートの原型となった。これが、スコットランドに伝わり、愛好家らにより図形を描いて滑走する技術が研究されるようになった。一方でフランスドイツにおいては芸術的な滑走動作が研究された。(Wikipedia)>

 

#「フィギュアスケート・GPファイナル」(9日、北京)

 <今大会、テレビ朝日で解説を務めたソチ五輪代表で“氷上の哲学者”と呼ばれた町田樹氏の解説がSNSなどで大きな反響を呼んでいる。この日の男子フリーでは、町田氏らしい詩的な表現がさく裂。1番滑走だったアダム・シャオイムファ(フランス)の演技には「タイプライターを打つ音、流れてくる用紙、それを飲み込み、意味深な振り付けで幕を開ける表現性の高いプログラムです」、「何かをノートに書き殴る音とともにジェスチャーが入る。そしてページがめくれ、プログラムのパートがシフトする」、「ここでこのクオリティはデカい!」、「ヴァイオリンの音階が上へ下へと激しく揺らぐ、それに呼応するようにスケートと上体の動きも上下左右へとうつろう」、「スケートのスピードがとんでもない次元に達する」と、独特の表現で視聴者を氷上の世界へといざなった。デイリー12/9>